５

　さっそく、ブーチンに投げさせてみた。

　ブーチンの投げるストレートに、みんなは驚いた。

　コントロールはいまいちだけど、スピードだけならシンヤ以上かもしれない。

　オレはブーチンに、全力で投げるとコントロールを乱すため、八割程度の力で投げるようにいった。

　それでも、十分に速い。

　みんなは、「これで決まり！」と叫んだ。

　ブーチンがピッチャーになったため、今度はキャッチャーを誰がするかでもめた。

　当時のキャッチャーは、キャッチャーマスクこそつけていたが、レガースなどつけておらず、みんな怖がってキャッチャーをするのを嫌がる。

　結局、ジャンケンで決めることになり、負けたオレがキャッチャーをするはめになった。