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文字数 371文字

 3回までは、一応投手戦という感じだった。

 ブーチンも、梅酒の効果で、ここまでは何とかぶなんに投げている。

 しかし、汗をかきすぎて、梅酒の酔いが抜けてしまい、徐々に、ブーチンの様子がおかしくなっていった。

 顔色が赤から青に変わり、マウンド上で落ち着きをなくし、オドオドした気弱な本来のブーチンにもどってしまった。

 フォアボールを連発し、満塁になったところで、デッドボール、暴投で2点を取られてしまった。

 オレは、タイムを取り、マウンドに行き、ブーチンに声をかけた。

「どうした、ブーチン?」

「ダメだヨーチン、早く残りの分を飲ませてくれんと、ドキドキして投げることができん」

 青い顔をしたブーチンが、すがるような顔でオレにいう。 

 オレは、この守備が終わったら飲ますので、頑張れといい、ポジションにもどった。

 結局この回、5点を取られてしまった。

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