妹の早香⑤

文字数 1,429文字

早香の部屋は二階の俺の部屋の隣だ。
早香にも知って欲しいと思いつついざ、部屋の前まで来ると変な緊張感が走る。 
ドアに三回ノックすると
「どうぞ」と早香の声がする。
部屋に入るとありとあらゆる壁に男性アイドルのポスターが貼られている、流石、母さんの影響力は凄い! 
「あ?お帰り!お兄ちゃん!どうしたの?」 
「あのさ!鎮痛剤持ってる?」 
「へ?持ってるけど、ママに頼まれた?」 
「いや、俺が飲みたいんだよ!あと、言いにくいけど、ナ、」
「ナ?お兄ちゃん?今日変だよ?」 
「ナプキン持ってる?多いタイプの」
「は?お兄ちゃん?何言ってるの?」 
「その、とりあえず、これ見てくれ!」
と言うと母さんに見せたのと同じ精密検査の結果の紙を渡す。
「真性半陰陽?、、、なんか聞いた事あるよ!男でも女でもない?確かドラマで見た気がする!うそ!実際に居るんだ!お兄ちゃんが?確かに言われて見れば納得って感じだけど」
「納得ってなんだよ?とにかく、メチャクチャ痛いから鎮痛剤くれ!」 
「もしかして?生理?」 
「そのまさかだよ!」 
「はい!どうぞ、ところでナプキンマメに替えてる?」
「替えてないけど?」 
「え?嘘でしょ?お兄ちゃん?とりあえずお風呂場行こう!部屋中血で汚されたくないから」 
「わかったよ!その前にクスリ飲ませてくれ!」 
二人で下に降りると一階の洗面台からまずはコップに水を汲んでクスリを飲み、風呂場へと向かう。
「お兄ちゃん!流石に、わたしまで入るの恥ずかしいよ。脱衣室の洗濯機の上にナプキン置いて置くから自分で替えてね。」
「まだ、なれないから着けて欲しいんだけど、別に恥ずかしがるなよ!一応、女同士何だから、あと悪いけど俺の部屋から替えの下着となんでもいいから着る物持って着てくれないかな」
「お兄ちゃん?恥ずかしくないの?」 
「正直、恥ずかしいけど、俺の女の部分見て欲しいから」
「わかった!持って来るからゆすぎながら待っててね。」  
俺は、脱衣室で衣類を脱ぎ完全に裸になると、風呂場に入る、下から血が垂れまくって脱衣室から風呂場にかけて点々とまるで一本の線に見える。
暫くして早香の声がする。
「お兄ちゃん!入るよ!やだ!何これ?お兄ちゃん!ダメじゃない!床、あちこち血だらけよ!」
「ごめん!どうしていいかわからなくて、それと後ろ向きになるから女の部分見て欲しい!」 
「わかったから、しゃがみこんでお尻をわたしに向けてつきだして!」 
「こう?流石にこの体制恥ずかしいから早く見て!それと早くナプキン着けて欲しい」 
「わかったから、そう急かさないでよ!なるほどね。確かに、わたしと同じ穴があるね!しかもものすごく血が垂れてきてるし、今、トランクスにナプキン着けてるけどお兄ちゃん?毎月のことなんだからちゃんと自分でつけられるようになんないと駄目だよ!もしかして?初潮?」 
「初潮ってなんだよ?」 
「初めて女になった日、つまり初めての生理の事だよ」
「うん、初めてだよ!」 
「お兄ちゃん!いや、お姉ちゃん!だね!御祝いしなきゃ!嬉しい!お姉ちゃん欲しかったから」 
「毎月、こんな痛い思いしなきゃならないの?わかった!ナプキンの付け方教えて欲しい!」 
「あとでじっくり教えてあげるから、着替えてね。やっぱり出て待ってるよ」 
そう言うと血で汚れた床を雑巾で拭いてくれた。
「早香!わるい!拭いてくれてありがとう」
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