第18話

文字数 334文字

そのようなループが無限に続くかと思われたが、AIロボットはともかく、生身の人間には何の約束もない。

ムラカミが逃げた。
会社の有り金を持って、行方不明となったという。 
当然、系列店全てが突然無期限休業となったが、正直驚きはなかった。
ムラカミらしいといえば、確かにそうだった。
実は以前から業者への支払いが滞り、店長らの給料も支払日に振り込まれていなかった。
いつでも「自分は悪くない」と言い張るタイプだったが、今回もおそらく例外ではない。
あの男は、たまに浮いた金を道楽に注ぎこんで、足りなくなると、業者や俺たちへの支払いを先延ばしにしてばかりいた。
金を扱う才能がてんでないのに、なぜ社長にまで登りつめたのかは謎だが、会社が潰れるべくして潰れたことには何の不思議さも感慨もない。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み