第3話

文字数 311文字

始業前の作業の大半は彼ら自身が行う。
食材の配置から、厨房機器の立ち上げ、ホールのテーブルや椅子の拭き上げは任せたままで、それらが滞りなく進んでいるかチェックするのが俺の仕事になる。
たまにイレギュラーなことがあって、誰かが作業をストップしたらサポートして回る。
彼らは、総じて優秀でそつなく仕事はこなすが、いちいちセンサーに頼るせいか、スピード感はなく、機械的な声のため活気に乏しい。

それでも人員不足に悩むよりは全然助かっている。
所詮、自分一人では大したことはできない。こなせる仕事量なんて、たかが知れているのだ。
ハリウッドアクション映画の体力無尽蔵の不屈で無敵の主人公でないのなら、やはり作業仲間はいた方が、断然効率が良い。
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