9
文字数 632文字
周りでは 皆が同じように寝転がって 星空を見上げている。
「あれは きっと算盤を模っているのよ」
「あの星は きっとまだ赤ちゃん星ね」
星を楽しんで見ている光景が不思議だった。
誰も笑わない。
ぼくは北斗七星を探すのに必死で、星は楽しむものじゃなくて 覚えるものだと思ってた。
隣りで寝転がっていた女の子が言う。
「今日もお祈りしなきゃ」
なんだろう。
「お祈りって?」
「知らないの?」
僕は寝転んだまま 首を傾げる。
「流れ星が落ちきってしまう前に、願い事を3回唱えるのよ。そうすると願いが叶うの」
「そうなんだ」
それぞれが願いを口にして唱えた。
「お父さんが無事に帰ってきますように」
「お母さんの病気がよくなりますように」
「家族みんなで幸せに暮らせる日がきますように」
戦争という過酷な時代を生きているのに、こんな表現いけないかもしれないけど 、 皆の祈りに胸が熱くなった。
何故だろう、ぼくの時代のほうが絶対楽しいはずなのに。
星空を見ながらぼくはガキ大将に話し掛けた。
「ねぇ」
「なんだ?」
「君が大人になったとき、子供にも、孫にもこの星空を見せてあげて」
「いきなり どうしたんだ?」
「ぼくが生きる2008年はさ」
「うん」
「・・・ なんでもない」
ぼくの心を読み取ったのか、ガキ大将はそれ以上何も聞いてこなかった。
そして一言「わかったよ」と力強く呟いた。
「お前も願い事3回唱えろよ。なんでもいいんだぜ」
ぼくは考えた。
そして流れ星を見つけると目を閉じ3回心で唱えた。
「おじいちゃんに会いたいです」
「あれは きっと算盤を模っているのよ」
「あの星は きっとまだ赤ちゃん星ね」
星を楽しんで見ている光景が不思議だった。
誰も笑わない。
ぼくは北斗七星を探すのに必死で、星は楽しむものじゃなくて 覚えるものだと思ってた。
隣りで寝転がっていた女の子が言う。
「今日もお祈りしなきゃ」
なんだろう。
「お祈りって?」
「知らないの?」
僕は寝転んだまま 首を傾げる。
「流れ星が落ちきってしまう前に、願い事を3回唱えるのよ。そうすると願いが叶うの」
「そうなんだ」
それぞれが願いを口にして唱えた。
「お父さんが無事に帰ってきますように」
「お母さんの病気がよくなりますように」
「家族みんなで幸せに暮らせる日がきますように」
戦争という過酷な時代を生きているのに、こんな表現いけないかもしれないけど 、 皆の祈りに胸が熱くなった。
何故だろう、ぼくの時代のほうが絶対楽しいはずなのに。
星空を見ながらぼくはガキ大将に話し掛けた。
「ねぇ」
「なんだ?」
「君が大人になったとき、子供にも、孫にもこの星空を見せてあげて」
「いきなり どうしたんだ?」
「ぼくが生きる2008年はさ」
「うん」
「・・・ なんでもない」
ぼくの心を読み取ったのか、ガキ大将はそれ以上何も聞いてこなかった。
そして一言「わかったよ」と力強く呟いた。
「お前も願い事3回唱えろよ。なんでもいいんだぜ」
ぼくは考えた。
そして流れ星を見つけると目を閉じ3回心で唱えた。
「おじいちゃんに会いたいです」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
(ログインが必要です)