文字数 511文字

おいおい、昭和20年ってどういうことだよ。
ぼくがいた平成20年である2008年から計算すると、、、63年前。
冗談だろ。
落ち着け、そんなはずは無い。
きっと平成20年の間違いにきまっている。
そうだ、携帯。
携帯でおじいちゃんに連絡をとろう。
でも、ぼくを探しに出て 家を空けているかもしれない。
じゃ、お父さんだ。
お父さんは警備会社に勤めているから すぐ警察に連絡して 捜索の手配をしてくれるはず。
ピ・ピ・ピ
ぼくはメモリからお父さんの携帯に連絡する。
プープープー
なんだよ 肝心な時に繋がらない。
って 圏外じゃん。
どうするんだよ。
ぼくは頭が整理できない。
頭をかきむしりパニックになっていると、彼らが話し掛けてきた。
「なぁ、東京から来たのか?」
「へ?」
ぼくは確かに東京から来た。
「ああ、そうだよ」
嘘じゃない。
「疎開でここにきたのか?」
疎開って、戦災を避けるために田舎に避難するっていう、あの疎開?
ぼくは聞きなれない言葉に返答することが出来ずにいる。
それが皆を妙に納得させた。
笑みが見えはじめ、ぼくを不思議な奴だとは思わなくなったようだ。
「今からいいところに行くんだ。俺たちと一緒に来いよ」
ぼくの手を取ると、彼らは歩き出した。
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