第五話:戦後政略の渦中・1
文字数 576文字
『誰かが待ち望んだ、その日。
物語の始まり。』
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戦争終結から七日が経った。
リプカの呟き通り、一週間が経った今、ほとぼりが冷めたように、状況はもう戦争前の日常と変わらなくなった。
そもそも、ウィザ国内ではほとんど戦火は上がっていない。フォローライン領域での防衛戦、リヴァレーエリン領域が破られフランシスが本腰を入れ指揮に回った【リヴァレーエリン領域の防衛・奪還戦】、そしてリプカが状況を収めた《《あのとき》》を除き、国内は平和なものだったのだ。故に戦争前の日常に戻るのも早かったのだろう。
妹が世界的に名を馳せる指導者になったという、幼少から予期はしていた大事 が過ぎる現実にそわそわした気持ちを抱きながら、リプカはフランシスの健康無事を祈った。
そんな、外側の遠い場所で起こっている
事は他人事ではなく、むしろ世紀の騒乱は内々で始まろうとしている、我が事であったことを、リプカはその後、すぐに理解することとなる。
奇妙な運命が始まる。