『朝焼け』
文字数 387文字
あの日、朝焼けに重なる君の姿は、想像と反して少しだけ違った雰囲気をしていた。
「君には朝焼けの方が似合うよね」
「…そう?」
「うん、これから明るくなる感じとか、ぴったりだと思うんだ」
少し、返答まで間が空いた。
「そっか、ありがと」
やっぱりなんだか違っている。彼女は、続けて呟いた。
「…私は、夕焼けの方が好きだな。」
何も言えなかった。こんなに憂いをもって呟く彼女を、僕は知らなかった。
そんな空気を察知したのか、彼女ははっといつもの様子に戻って、また続けた。
「あ、朝焼けも好きだよ!きれいだよね~」
今ならわかる。僕は彼女を、陰りのない太陽のようなひとだと思っていたけど、違う。彼女は、太陽じゃない。むしろ僕と同じように、朝を、太陽を、嫌っていたんだ。それでも僕に、安心をくれていたんだ。
ごめんなさいとありがとうが交錯して、僕はまだ強くはいられないけど。もらった安心は、無駄にしないよ。
「君には朝焼けの方が似合うよね」
「…そう?」
「うん、これから明るくなる感じとか、ぴったりだと思うんだ」
少し、返答まで間が空いた。
「そっか、ありがと」
やっぱりなんだか違っている。彼女は、続けて呟いた。
「…私は、夕焼けの方が好きだな。」
何も言えなかった。こんなに憂いをもって呟く彼女を、僕は知らなかった。
そんな空気を察知したのか、彼女ははっといつもの様子に戻って、また続けた。
「あ、朝焼けも好きだよ!きれいだよね~」
今ならわかる。僕は彼女を、陰りのない太陽のようなひとだと思っていたけど、違う。彼女は、太陽じゃない。むしろ僕と同じように、朝を、太陽を、嫌っていたんだ。それでも僕に、安心をくれていたんだ。
ごめんなさいとありがとうが交錯して、僕はまだ強くはいられないけど。もらった安心は、無駄にしないよ。