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文字数 517文字

「ウソッ、なんで」


「この人、防人部隊(さきもりぶたい)の人だよ。たしか、新種の危険生物を討伐したときに、怪我で除隊したのをニュースで見たよ」


 防人部隊(さきもりぶたい)とは、北九州の海岸警備に当たる軍の部隊で、捕食者や新種の危険生物の上陸を退けるなど、危険な任務を遂行する。


「ケガで除隊?」


「この人は軍のスカウトを受けて13歳で入隊、五年も防人部隊(さきもりぶたい)の任に当たった弓の名手リアル那須与一(なすのよいち)だよ。そういえば平家物語の勉強した? 今日追試だよね? 」


「もち♪ よっぴいて・・・・・・」


「ひょう♪」


 アベイユとバトーの声が弾む。


「違う違う、よっぴいて、ひょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうっ」


「ひょーーーーーーーーーーーーーーーーーーうあははははは! 」


 三人の声が楽し気に重なる。


「うははは、ぜーんっぜん! 勉強してなーいっ」


「僕も」


「ウチも」


 大丈夫。みんなで潔く冬休みに補修を受けるから。


「アタシも小説書けたらいいのにな」


「ええやん。小説でも短歌でも作詞でも何でも書いたらよろし」


「バンビーナは何を書きたいの? 」


「ベリに対する、アタシのトキメキ? 口から心臓を引っこ抜かれたみたいな? 」


 バンビーナの返答に、アベイユとバトーは黙った。


「ちょっと、なんで黙るのっ」


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