第2話 プロットに付いて

文字数 868文字

 因みに『坂東の風』のプロットこんな感じでした。

・二人の藤原千方を繋ぐラインを探す。

・将門を討って出世した筈の秀郷を含めて、基本的には、朝廷(=貴族社会)に対する(つわもの)(=初期武士)階級の立場をを描く
・反貴族社会の象徴として、平将門、蝦夷を併せて描く
・蝦夷に付いては、阿弖流為をはじめとして、奥州安倍氏、下野の隠れ郷に至る物語と、その後実質的な蝦夷政権となる、奥州藤原氏に繋がる予兆として、安倍忠頼をキーパーソンとして描く。
・奥州藤原氏が秀郷流藤原氏の子孫であることを示唆。

・上記のストーリー展開として、物語の舞台は、陸奥の胆沢、坂東の武蔵、下野の他、将門の乱関係として、常陸、下総。京の都と近江の甲賀と伊賀国の伊賀郡となる。

・敵役としては、安和の変で千方の長兄・千晴を捕縛することになる源満季とその兄・満仲が自然に浮かび上がって来た。

 源満仲は清和源氏の基礎を築いた人物。 
 清和源氏と言えば、鬼退治伝説の頼光、八幡太郎義家、鎌倉幕府の初代将軍・頼朝、弟の義経など、どちらかというと”良い方“ つまり主役側で扱われる一族であるが、この物語では悪役とする。
 元々満仲は悪評の多い人物であったし、その父の経基は、将門の乱に際しては情けない人物として登場している。

・千方が生まれたのは将門が身内の争いをやっている頃、野本の戦いで、源扶らの待ち伏せを受けながら逆に討ち取ってしまったことに興味を持った秀郷が情報収集の為千方の母の実家を訪れた時、日・露女(つゆめ)が秀郷のたねを宿したことにする。

・その千方が二十一歳の頃、源満仲が武蔵権守として武蔵府中に居た形跡が有るのだ。
・千方と満仲の因縁の始まりをここに設定する。

 大和朝廷は長年蝦夷との戦いを続けており、阿弖流為が坂上田村麻呂に降伏し、財政的な理由から以降の制圧政策も中止となった。しかし、蝦夷問題が解決した訳ではなかった。

 陸奥、出羽の蝦夷を管理する為の大和朝廷の行政機関は陸奥国府であり、仙台市の南に有り現在も都市名としてその名を残す『多賀城』に置かれていました。

 多賀城跡を訪れた話を次回⋯⋯
  
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