人魚姫
文字数 1,282文字
「助けた男性に思いを伝えるためにお前を1日だけ人間にしてやろう」
そういって魔女はとても美しい人魚姫に1日だけ人間のような足を与えました。
1ヶ月前、6人姉妹の末っ子の人魚姫は20歳の誕生日を向かえ、陸の世界を覗くことを許されました。水面から顔を出してみるとプライベートのクルーザーでクルージングを楽しんでいるお金持ちのイケメン社長がいました。人魚姫はそのイケメン社長に一目惚れしてしまいました。夜になると天候が悪くなり、嵐でクルーザーが転覆してしまい社長は海に投げ出されてしまいました。人魚姫は海に投げ出された社長を陸まで運び助けてあげました。
人魚姫は社長の事が忘れられずに魔女の力で足を手に入れ、社長に自分の思いを伝えるため人間の世界にやって来たのです。
人魚姫が社長の会社につくまえに、通りかかった道の途中で
"時(人生)を買って、あなたの夢を叶えます。"
という札の着いた屋台があることに気づき、興味本位で覗いてみることにしました。
店員……「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)・健康を売って、それと同等の契約、もの、こと(経験)が手に入る店だよ。」
人魚姫……「私は魔女の力で1日だけ人間になっている人魚です。私が人間になりたいといったら何年ぐらいの時を売らなくてはなりませんか?」
店員……「本来300年生きれる人魚が、長くても100年位しか生きられない人間になるのだから時間を売っていただかなくてもすぐに人間になれますが、一旦時を売ってしまい人間になると人魚に戻ることはできませんよ」
人魚姫……「それでもいいわ。思いを伝えるだけのつもりだったけど、これで一目惚れした方と結婚できる。人魚の世界に未練はないわ。」
店員……「それではこの契約書にサインをお願いいたします」
そういって出された契約書に人魚姫はサインし、社長の働く会社に向かいました。
人魚姫が会社につくと、ちょうど社長が政治家との会合を終え、会社に戻る車から降りるところでした。
「しゃ……」
人魚姫は社長にかけよって声をかけようとしましたが、途中でやめて、もときた道を歩いて戻り出しました。
"よくみたらとてつもないブサイクじゃない"
そうです。人魚姫は社長を遠くからしかみていなかったのと、社長だと思って助けたイケメンの男性は、美少年好きの社長の愛人だったことに気付いておらず、社長がイケメンだと勘違いしていたのです。
"うかつだった。300年生きれる寿命を1/3にして人魚の姫であるという地位もなげうって人間になることをしっかりとした準備もなしに決めてしまうなんて……。私はなんと愚かなのだろうか"
人魚姫の心に自分への怒りがメラメラとおこりました。
しかし次の瞬間には
"しかし、やってしまったからにはしかたがない。寿命も人魚姫という地位も失って手にしたこの人間の人生ですもの、絶対にイケメンの金持ちゲットして悔いのないものにしてやるぞ!!"
という後悔を打ち消すぐらいの強い気力が沸々と沸き上がってきました。
5年後、
お金持ちのことを学ぶために夜職に就いた人魚姫はこの国でナンバーワンのホステスになっていたそうな。
そういって魔女はとても美しい人魚姫に1日だけ人間のような足を与えました。
1ヶ月前、6人姉妹の末っ子の人魚姫は20歳の誕生日を向かえ、陸の世界を覗くことを許されました。水面から顔を出してみるとプライベートのクルーザーでクルージングを楽しんでいるお金持ちのイケメン社長がいました。人魚姫はそのイケメン社長に一目惚れしてしまいました。夜になると天候が悪くなり、嵐でクルーザーが転覆してしまい社長は海に投げ出されてしまいました。人魚姫は海に投げ出された社長を陸まで運び助けてあげました。
人魚姫は社長の事が忘れられずに魔女の力で足を手に入れ、社長に自分の思いを伝えるため人間の世界にやって来たのです。
人魚姫が社長の会社につくまえに、通りかかった道の途中で
"時(人生)を買って、あなたの夢を叶えます。"
という札の着いた屋台があることに気づき、興味本位で覗いてみることにしました。
店員……「いらっしゃい。この店はあなたの時(人生)・健康を売って、それと同等の契約、もの、こと(経験)が手に入る店だよ。」
人魚姫……「私は魔女の力で1日だけ人間になっている人魚です。私が人間になりたいといったら何年ぐらいの時を売らなくてはなりませんか?」
店員……「本来300年生きれる人魚が、長くても100年位しか生きられない人間になるのだから時間を売っていただかなくてもすぐに人間になれますが、一旦時を売ってしまい人間になると人魚に戻ることはできませんよ」
人魚姫……「それでもいいわ。思いを伝えるだけのつもりだったけど、これで一目惚れした方と結婚できる。人魚の世界に未練はないわ。」
店員……「それではこの契約書にサインをお願いいたします」
そういって出された契約書に人魚姫はサインし、社長の働く会社に向かいました。
人魚姫が会社につくと、ちょうど社長が政治家との会合を終え、会社に戻る車から降りるところでした。
「しゃ……」
人魚姫は社長にかけよって声をかけようとしましたが、途中でやめて、もときた道を歩いて戻り出しました。
"よくみたらとてつもないブサイクじゃない"
そうです。人魚姫は社長を遠くからしかみていなかったのと、社長だと思って助けたイケメンの男性は、美少年好きの社長の愛人だったことに気付いておらず、社長がイケメンだと勘違いしていたのです。
"うかつだった。300年生きれる寿命を1/3にして人魚の姫であるという地位もなげうって人間になることをしっかりとした準備もなしに決めてしまうなんて……。私はなんと愚かなのだろうか"
人魚姫の心に自分への怒りがメラメラとおこりました。
しかし次の瞬間には
"しかし、やってしまったからにはしかたがない。寿命も人魚姫という地位も失って手にしたこの人間の人生ですもの、絶対にイケメンの金持ちゲットして悔いのないものにしてやるぞ!!"
という後悔を打ち消すぐらいの強い気力が沸々と沸き上がってきました。
5年後、
お金持ちのことを学ぶために夜職に就いた人魚姫はこの国でナンバーワンのホステスになっていたそうな。