賭博黙示録テツヤ
文字数 1,410文字
「来週までに5000万円用意できなければ、ご両親とご兄弟にそのお金を肩代わりしてもらうからな。」
黒服の暴力団員は、外国人プロ野球投手ジョンの通訳をしている矢野哲也に違法野球賭博の負け分5000万円を持ってこさせようと凄みをきかせた。
「すぐにお金を用意するのは難しいので猶予期間を1ヶ月ほどいただけないでしょうか?」
矢野が怯えながら答えると、
「ダメだ。矢野さん、あんたそんなこと言って一年以上も支払ってないじゃないかとにかく来週までに金を持ってこい」
暴力団員にこれ以上交渉出来るわけもなく矢野は小さな声で
「わかりました」
と返事をし暴力団の息のかかった喫茶店をあとにした。
矢野が賭博にのめり込んだのは、通訳仲間にさそわれて、小遣い程度の額で違法賭博をやり、ビギナーズラックで自分の年収ほどの金額を稼いだのがきっかけだった。賭博での負け分を賭博で返そうとしてますます負債が膨らんでいき現在の5000万円となってしまった。
"あいてが暴力団員なら払わなければ親や兄弟が何をされるかわからないので、どうしても5000万円払う必要がある。親や兄弟はそんな大金持っているわけがないから借りることは出来ない。そうすると通訳の仕事をもらっているジョンにお金を借りるしかないが、お金を借りて自分の年俸は1000万円だから首にならずに、五年間タダ働きさせてもらえれば返済できるんだけど、お金を貸してくれるだろうか?またそのことを話したら仕事自体を首になるんじゃないのか?"
そんなことを考えながら歩いていると
「時・(人生)買います」
という札のついた普段見かけない屋台があることに気付いたので寄ってみることにした。
「いらっしゃい。ここはあなたの時(人生)・健康を売って、それに見合った契約・もの・こと(経験)が得られる店だよ。」
店員が説明したのを聞いた矢野は
「スポーツ選手の通訳は健康が資本なので健康を売ることはできませんが、通訳を担当しているプロ野球選手ジョンから賭博の借金返済として5000万円を借りて通訳の仕事を首にならない契約が結べるなら売却する人生の年数はお店で決めてもらって結構です。」
「こちらの指定する年数を売却する契約を店とかわしたいということでいいね。売った人生の記憶や思い出は残らないけどそれでもいいならこの契約書にサインして契約成立です。」
店員が出した契約書に矢野がサインするやいなや、自分自身が自動車の後部座席にジョンをのせて車を運転していることに気付いた。自動車のナビゲーションの日付では屋台で契約した日から3ヶ月しか経っていないようだった。
「ところでMr.ヤノ」
ジョンが話しかけてきた。
「今度の野球賭博の試合はいつ行われるんだい?君に5000万円を貸し付ける条件として自分のチームが勝つ条件で野球賭博に参加させてもらっていて、今まで私が先発登板した試合に1億円以上の金をベットして10億円以上を稼いでいるんけど、またあのエキサイティングな経験をすぐに味わいたいんだよ。」
矢野は驚いた。
"負債を暴力団に返したら賭博を辞めようと思っていたのに、ジョンが賭博にのめり込むとは思っていなかった。だがあと4年以上はジョンのもとで働かなくてはならない。暴力団員との関係はその間も続くし、状況はさらに悪くなってしまったどうしよう。"
と考えながら、ジョンのために黒服の暴力団員に連絡をとる矢野の心は
"ザワ…‥ザワ‥‥"
と震えたのでした。
黒服の暴力団員は、外国人プロ野球投手ジョンの通訳をしている矢野哲也に違法野球賭博の負け分5000万円を持ってこさせようと凄みをきかせた。
「すぐにお金を用意するのは難しいので猶予期間を1ヶ月ほどいただけないでしょうか?」
矢野が怯えながら答えると、
「ダメだ。矢野さん、あんたそんなこと言って一年以上も支払ってないじゃないかとにかく来週までに金を持ってこい」
暴力団員にこれ以上交渉出来るわけもなく矢野は小さな声で
「わかりました」
と返事をし暴力団の息のかかった喫茶店をあとにした。
矢野が賭博にのめり込んだのは、通訳仲間にさそわれて、小遣い程度の額で違法賭博をやり、ビギナーズラックで自分の年収ほどの金額を稼いだのがきっかけだった。賭博での負け分を賭博で返そうとしてますます負債が膨らんでいき現在の5000万円となってしまった。
"あいてが暴力団員なら払わなければ親や兄弟が何をされるかわからないので、どうしても5000万円払う必要がある。親や兄弟はそんな大金持っているわけがないから借りることは出来ない。そうすると通訳の仕事をもらっているジョンにお金を借りるしかないが、お金を借りて自分の年俸は1000万円だから首にならずに、五年間タダ働きさせてもらえれば返済できるんだけど、お金を貸してくれるだろうか?またそのことを話したら仕事自体を首になるんじゃないのか?"
そんなことを考えながら歩いていると
「時・(人生)買います」
という札のついた普段見かけない屋台があることに気付いたので寄ってみることにした。
「いらっしゃい。ここはあなたの時(人生)・健康を売って、それに見合った契約・もの・こと(経験)が得られる店だよ。」
店員が説明したのを聞いた矢野は
「スポーツ選手の通訳は健康が資本なので健康を売ることはできませんが、通訳を担当しているプロ野球選手ジョンから賭博の借金返済として5000万円を借りて通訳の仕事を首にならない契約が結べるなら売却する人生の年数はお店で決めてもらって結構です。」
「こちらの指定する年数を売却する契約を店とかわしたいということでいいね。売った人生の記憶や思い出は残らないけどそれでもいいならこの契約書にサインして契約成立です。」
店員が出した契約書に矢野がサインするやいなや、自分自身が自動車の後部座席にジョンをのせて車を運転していることに気付いた。自動車のナビゲーションの日付では屋台で契約した日から3ヶ月しか経っていないようだった。
「ところでMr.ヤノ」
ジョンが話しかけてきた。
「今度の野球賭博の試合はいつ行われるんだい?君に5000万円を貸し付ける条件として自分のチームが勝つ条件で野球賭博に参加させてもらっていて、今まで私が先発登板した試合に1億円以上の金をベットして10億円以上を稼いでいるんけど、またあのエキサイティングな経験をすぐに味わいたいんだよ。」
矢野は驚いた。
"負債を暴力団に返したら賭博を辞めようと思っていたのに、ジョンが賭博にのめり込むとは思っていなかった。だがあと4年以上はジョンのもとで働かなくてはならない。暴力団員との関係はその間も続くし、状況はさらに悪くなってしまったどうしよう。"
と考えながら、ジョンのために黒服の暴力団員に連絡をとる矢野の心は
"ザワ…‥ザワ‥‥"
と震えたのでした。