たまには我が世話をする!
文字数 2,050文字
樹海の霧に浮かび上がる、怪しくも荘厳な
病院を営む魔王の根城である。
そこには孤児院や、ちょっとした菜園や薔薇園があったりと、
見かけとは裏腹に支配者の気質がよく表れていた。
魔界最弱と称される蟲の魔物達を側におき、
彼らを統べる者・ジギは、
『魔王』兼『院長』として、超~~忙しい日々を送っていた。
今日は、そんな超~~忙しい魔王様の貴重~~な休日。
―― 早朝。
「「「 は わ わ !! 」」」
エミエル様のご要望で厨房をお貸ししたのですが……。
おやめくださいジギ様!
見たところ、
あれは色々混ざっています!
超絶色々混ざっています……!!
……フギュゥウ……!!!!
(なっ、なんだこれは! 雑草汁にほんのりハチミツの気配があって、
ブルーベリーの色をしているが何故か香りは茄子に似ているッ!
あとなんかジャリジャリする……!!)
「「 まさか、完食なさるとは……; 」」
もしも……もしもオレ様が無事に目覚めたら、花嫁修行として色々教えてやるぜェ……。
このままじゃお前、嫁の貰い手がないだろうからなァ。
……ま、その時はオレ様が……ってホアァ、意識が遠…く……(ガクッ)
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