みんなで行こう!温泉旅行!【中編(2/2)】

文字数 7,439文字

そのアミューズメント施設は、

国内最大級といわれている。

ゲームセンター、カジノ、各種スポーツ。

はてはスケート場や小型の室内ジェットコースターまで備わっており、

1日では遊びつくせない規模である。


1日遊び放題券を手に、

子供達は目をらんらんと輝かせ、

駆け出そうにも何から遊ぼうか足踏みしてしまうのだった。


混雑のなか雑音も激しく、

みんなの保護者(?)翠ちゃんは、

ここで迷子を出したらヤヴァイと気を引き締めた。




※温泉の魔法(?)で人外が公共施設に現れても騒ぎになりません※

いやぁ~ん広い。広すぎます!

1泊2日の我々では回りきれませんねぇ……。

はーい皆さん何で遊ぶんですかー? なるべくまとまって行動して下さいよー?

他のお客さんに迷惑かけたら駄目ですよー?

オレ、スポーツやりたーい!

あっちにフットボールのストラックアウトがあるんだよ!

今なら空いてるレッツゴー!!

(走り出す)

あのクレーンゲーム面白そうだなぁ……。

Σ わわっ、ユケイ! 

置いていかないで下さ~い!

(後を追って走り出す)

……。

(ユケイの後をトコトコついてゆく)

うっし、オレはスロットだ。

(カジノの方へ去ってゆく)

ちょっ!;

待ちなさいっ、はぐれちゃうでしょ!?

エミエルちゃん、あの馬鹿どもを呼び戻すのを手伝っ……

エミエルは既にジェットコースターに乗っていた。

ひゃっほ~♪

これぞ我が求めていた刺激なり~♪

(乗ってはまた列に並ぶの繰り返し)

…………。

………………。

………………………………。


もーーー知らん。

翠ちゃんあそこのゾンビ撃つゲームで遊んできます。

(去)



アミューズメントグループは一瞬にして散り散りとなった。



―― 一方。


そのリラクゼーション施設は、

国内最高峰といわれている。

美容と健康を追求した、ありとあらゆるスパ・セラピーが揃い踏み。

リゾートのような休憩場にはドリンクバーや仮眠室が備わり、

はては美容院や接骨院、ガム・マッサージを扱う歯医者まで完備されていた。

極上の時間を味わい尽くすには1日では足りない規模だった。


1日優待券を手にして、

イブキとイナフとヒロはさ迷うように施設を一巡。

とりあえずは、スタンダードに全身マッサージを受けてみることにした。


落ち着いた雰囲気が漂うマッサージのブース。

すれ違いで出てきたのは、専用のローブに身を包んだジギだった。

髪もお肌もツヤツヤで、明るい頬ににへら顔。

ハァ……最高だ。最高過ぎるぜェ……。

次は足ツボ、ハンドマッサージ。

その後はネイルサロンだなァ……。

もうオレ様、ここに住む~……♡

(ほわほわ/去)

あっ、あの!

温泉は16時集合ですからー……!


……。

行ってしまいました……;

こちらに気付いていない程、夢心地だった様ですね。
あぁ~……期待大だなぁ。

オレもたまには自慢の脚を労わらないと。

竜族のくせに生意気だなぁ。

お前なんかどんなに大怪我したって、一晩寝ればすぐ回復するじゃないか。

労わるならいつも苦労を掛けているイブキさんを労わりなよ。それが男ってもんだ。

ねーっ、イブキさんっ♪

どこかに耳栓はないかしら。

施術中くらいは無になりたいわ。

ん~……同感。

なるほど!

雑音を遮断して癒しに集中するんだね。

さすがはイブキさん、ナイスアイディア!

ヒロさんには皮肉というものが通じないようね……。
呆れるイブキを先頭に、

リラクゼーショングループはマッサージブースののれんをくぐった。






こうして各々が娯楽を満喫すること暫く、

予定の時間が迫ってきた。


翠はアミューズメント施設の入口にて、

携帯の時刻に目をやっては足を踏み鳴らしていた。

ええーい、そろそろ温泉に行く時間ですが誰も集合する気配がないですねぇ。

そもそも時刻がわかるものを持ってるのは翠ちゃんだけ説……。

(盛大な溜め息)

よォォ……♪

そろそろ温泉かァ……?

どうした、誰もいないじゃないかァァ……♪

誰もいないじゃないかぁぁ。

じゃないですよ、この裏切り者!

みんな好き勝手に何処かへ行ってしまったんですッ!

はう~……。

捕まってしまいましたなり。

(ジギに首根っこを掴まれている)

集団行動を乱すのは宜しくないなァ……。

小さな勇者様ならすぐに見つけてやろう。

一番乗りで自由行動したのは誰でしたっけー!?

……そう睨むなよォ。

では汚名返上といくかァ……♪

ジギは暗黒のゲートに消え、

ユケイとエルクとリズを連れて戻ってきた。


そして目を離した隙に逃げ出したエミエルも、再び捕まえてきた。

ふええええ……!!
ククク……。

オレ様の手にかかればざっとこんなものだ。

恐ろしやジギ☆ママ~……。

(ジギの小脇に抱えられている)

あのね、えっとねっ、違うんだ!

(ぐすん)

時間を忘れてたんじゃなくて、道がわかんなくなってたんだー!

ボク達はストラックアウト、クレーンゲーム、フラワーアレジメント体験……等々を回っていました。

16時の10分前になったので戻ろうとしたのですが、気付いたら道がわからずカジノの方に迷い込んでしまい、

そこでエントランスで揉めた2人の女性と出くわしてしまって……。

それでなんか誘拐されそうになったから、めっちゃ逃げ回って、やっと撒いた時には変な場所に来ちゃってて。アミューズメント施設に戻ろうとしたのに裏口みたいな所から旅館の外に出ちゃうし、いつの間にか入っちゃ駄目な通路にいて怒られたり。

温泉行きたいのに、全然戻れなくて……。

でも2人を守らなきゃって思ってオレ……頑張ったんだ~~!!(涙)

……。

(ユケイの頭なでなで)

あの悪党どもめ……。


まったくもう。

一人で突っ走るからそんな大冒険になったんでしょう??;
それでねー……(涙を拭きながら)

これがクレーンゲームで取った景品!

じゃーん! 虫メガネー!!

(小箱のパッケージには『これでキミも名探偵だ!!』と書かれている)

はいはいも~わかりましたから。

温泉でまったりして嫌なこと忘れましょ!

そうする~。

待って!

シバがいないよ?

知りませんよ。

彼も子供じゃあないんですから、後から適当に来るでしょう。

先に行ってましょ~。

一緒に来たのに、そんなの駄目だ!

シバもどこかで迷子になってるのかもしれない。

ねぇジギ、オレをシバのところに連れてって!

……オレ様の転送魔法は『呪印(しるし)』をつけたものに対して(ゲート)をひらくものだ。

あいにくだが、その男には印をつけていないんでなァ……。

ほーら、駄目ですって。

諦めなさ~い。

諦められなーい!

それならオレ、迷子センターにお願いしてシバを呼んでもらう!

ちょっと待ってて。

迷子センターー!?

ユケイは皆をちょいと待たせ、近くの迷子センターに駆け込んだ。


ピンポンパンポーン♪


『迷子のお知らせです。

火の国からお越しのシバ君~シバ君~

お友達のユケイ君が探しています。

アミューズメントの入口に御座います、迷子センターまでお越し下さい。

繰り返しま……』


放送する最中、

係員は現れたシバ君が予想外すぎて固まってしまうのだった。

繰り返すなぁああ!!/////(恥)
ああっ、シバー!

迷わずに来れてよかったー!

……チッ、別に迷ってたわけじゃねぇよ。

スロットがいいところで手が離せなかっただけだ。

温泉の時間だな。へいへい、じゃあとっとと行こうぜ。

只今の時刻、16時30分!

一応、旅行のメインは温泉ですからね。

時間が惜しいので早速準備しましょ!

よーっし。

ちょっと出遅れちゃったけど、気を取り直して。

温泉にしゅっぱーーつ!!

\(^ワ^)/

しゅっぱーつ!

\(^o^)/

…………ぱぁつ

\(・-・)/

ユケイ達は一旦客室に戻り、

支度を終えて待っていた3人と合流して名物の温泉へと向かった。




温泉は混浴の露天風呂。

その入口である脱衣場は、もちろん男女別である。


各々が自分の性別ののれんをくぐるなか、ジギがエミエルの前に立ち塞がった。

お前の脱衣場は魔界に設けてある。

少ししたら迎えにいくから、そこで支度しなァ……。

(暗黒のゲートをひらく)

ぬ~ん? 何故だ~?

なぜ我だけ特別な脱衣場で支度せねばならんのだ~?

我もみんなとご一緒に、女の脱衣場でお支度したいな~りや~?

……その企みを当ててやろうかァ。

お前は女の脱衣場から出ないつもりだ。

そこにいられちゃあオレ様も迎えに行けないからなァ……。

違うかァー……??

……。

…………。

何故バレたぁーーー!?

(ジギに回収され魔界の脱衣場に強制転送)

男性の脱衣場にて。


解放感ある天井に音なく回るシーリングファン。

年季の入った木造作りが味わい深く、室温も快適である。

少々混みあっていたが、広々とした空間が窮屈に感じさせなかった。


空きロッカーの連番を見つけ、一行は支度をはじめた。


ユケイはロッカーの内蓋にこんな注意書きを見つけた。


『温泉を利用するお客様へ。

混浴スペースを利用する際には、

備え付けの湯あみ着をご着用下さい』

へぇ~、混浴場では湯あみ着ってやつを着なきゃいけないんだね。

そりゃそっか!

……湯あみ着まで用意されているなんて、

至れり尽くせりだなァ……♪

男専用の浴場もあるようだが、

名物の露天風呂は混浴の方らしいな。

では体を綺麗にしてから、混浴場で女性陣と合流する感じでしょうか!
ん~……その通りだね。

そこの物販で苺を買っていこう。

外の雪で苺を冷やして、温泉に浸かりながら食べるのがオススメらしい。

随分大ぶりな苺だなぁ。

こんなに大きくちゃあ女性は食べにくいだろうから、

イブキさんの為にオレがちぎっておいてあげよう!

(えっ、手でちぎるの……?)

……フムフム、これが噂の特産苺かァ……。

見事な大ぶりで、色ツヤもいい。

きっとさぞかし甘いのだろう……。

エミエルへのご褒美にたくさん買っておこう……♪

お風呂セットを小脇に抱え、

揃いの湯浴み着を腰にまき、

準備ができた一同。


すりガラスの戸をひらくと、立ち込める湯気がぶわあっと舞い上がった。

一瞬のもやが晴れると、そこには様々な風呂が並ぶ見事な大浴場が広がっており、

奥には屋外へ繋がる道があった。


体を洗い、いざ露天風呂へ!


勢いよく先陣を切ったユケイは、さっそく滑って転ぶのだった。

転んだ先の視界で、白い素足が目の前にとまる。

見上げると、湯あみ着をまとった翠が腕組みをしていた。

探すまでもなく目立ちますねぇ、キミは。
痛ってぇええ~~……!;

あれ? 翠、一人?

他の3人は?

エミエルちゃんは行方不明。

イブキさんとリズちゃんは専用スペースで体を洗っていますよ。

女子はなにかと時間がかかるものなんです。

翠ちゃんは洗うもなにもないのでパパッとかけ湯をしてきました~。

あ~んこの湯あみ着、ちょっと胸まわりが小さいかも~♡

そっか! じゃあ皆あとで来るんだね。

湯あみ着がキツいの?

サイズ間違えちゃった??

胸がデカいって言いてぇんだろ……(ボソッ/耳打ち)
なるほど……。


あっ!;(シバの後ろに隠れる)

あっ……;

(ユケイの後ろに隠れる)

うーん、この湯あみ着……。

サイズ間違えちゃったかなぁ……ちょっと胸が苦しい。

だからアンタはLLにでもしとけって言ったでショー。


ゲぇッ。

まーたテメェらかヨ!

(指差し)

出ましたね悪党ども!

どうもアミューズメント施設では、

ユケイ君を追いかけまわしてくれたそうじゃないですかー?

(ずいずいずい)

だったらなにヨ~~??

そんなに大事なら目を離さないことだネ!

(ずいずいずい)

万姫(ワンヂェン)だめぇ~~っ;;

今は2人だけの旅行なんだから、他人となんて話さないで!

(万姫を引き離す)

……そう、でし、タ!

アタシ達はあっちに行ク!

(打たせ湯の方を指差し)

こっちにきたら容赦しないヨ……! フン!

(去)

べーっ。

万姫~♪ そこに積もってる雪で苺を冷やそう♡

(去)

なんなんですかぁ、アレ。
この旅館は食事の時間が決まっているので、

お風呂に入る時間などが他の利用客と重なってしまうようですね……。

……。

(納得したように頷く)

あっ、リズー!

待ってたんだよーん!

皆さんお待たせしました。

さぁ、凍えてしまう前に温泉に浸かりましょう。

……よしよし、エミエルもしっかり湯あみ着をつけているな。

それには【風邪を引かない呪い】【体が冷えない呪い】

【苺の食べ過ぎでお腹を壊さない呪い】をかけてある。

混浴場にも体を洗うスペースがあるようだなァ……。

行くぞエミたん……♪

(エミエルを担いで洗浄スペースへ)

あぁ~どこまで用意周到なのだジギ☆ママよ……。

(苺をくわえたまま連れてゆかれる)

ジギとエミエルを逆方向に見送って、

ユケイ達は露天風呂に足を踏み入れた。


頭に雪が積もるなか、立ち上る湯気は一段と濃く。

視界いっぱいに広がるは、山々の連なりに囲まれた無垢な銀世界。


その感想は温泉の心地よさと相まって、ため息となってこぼれるのだった。

ふぃ~~~……。

気持ちいい~~……。

このような景色は見慣れているはずなのですが、

何故だろう、とても新鮮に感じます。

……来てよかったです。
……。

(感無量)

あぁ~たまには湯舟に浸かるのもいいもんだな。

温泉サイコー。

ん~……結構雪が降ってるね。

温泉から出られなくなる予感……。

そうね、上がったら体が冷えてしまいそう。

特に竜族は変温体質だから、急激な温度差は体によくないです。

露天風呂から上がったら、専用スペースで一度体を温めるといいわ。

そんなことより、イブキさん。

はいこれ。温泉名物の冷やし苺!

食べやすいように小さくしておいたよ!

あ~~ん……。

結構です。

自分で購入した分がありますので。

そして、

体を洗い終えたエミエルとジギも合流した。
これが冷やし苺か……!

(ぱくんっ)

美味いっ!

美味いぞぉっ!

うまうまなりや~~!!

アァ……生き返るゥ……♪

エミエル、もっと肩まで浸かれェ……。

この後のご飯が楽しみだなぁ~♪♪♪

こうして、

素晴らしい温泉を堪能した一行は、

幸せほかほか気分で食事へと向かうのだった。

(何やら食事に事情があるとの事で、

ジギとエミエルは客室に食事を運んでもらう事になった)




(みやび)な雰囲気が漂う大食堂。

宿泊客が集い、今日一番の賑わいをみせている。

ここでは食事の席が決まっており、

一行は『翠ちゃんとカオスな仲間達 様ご一行』(恥)の表札が立った半個室を見つけて席についた。


メニューを読んで期待を膨らませること暫く……。

随分と遅いですねぇ……。

配膳に時間がかかっているんでしょうか?

お腹すいたぁ~~~~。

ご飯まだぁぁ~~~~?????

(お腹が鳴っている)

……。

確か食事は18時からだったね。

もう40分も過ぎてるよ……。

オレ達の席だけ忘れられてる……とか?

なにかあったんでしょうか?;
……?

(右に左に小首を傾げる)

他の席も少しザワついているようですね……。
餓死するわけでもなし、

皆もう少し我慢したらどうなんだい?

(自分だけカロリーメ〇トを頬張っている)

(テーブルを叩く)

あ~~~我慢ならねぇ!

ちょっと文句言ってくるわ。

(席を立つ)

やめなさいよ。

問題を起こさないで下さいチンピラ!

翠がとめるのも聞かず、

シバは単身、従業員のもとへ。


しかし、

既に厨房の前には文句をいう人だかりができており、近づく事さえできない状態だった。

ウエイター達は必死に謝って回るばかりで、食事の提供は開始されないまま。

一体何があったというのか。


周りの人に訊ねるより早く、

ウエイターに食ってかかる声が響いてきた。

食品庫が開かないダァア!?!?

んなモンぶち壊しゃあいいじゃねぇカ!

何人の客待たせてると思ってんダ!

なんならアタシがやってやろうかアアア~~!?

(ものすごい剣幕)

ひぃぃ;

申し訳ありません。

あの食品庫には温度管理や自動配送装置など複数の機能が備わっておりまして、

入口に集積している回路を壊してしまいますと今後の営業に支障が……;

んなモン知るかア!!

代用の料理でもいいからさっさと用意しなア!

全ての食材が食品庫にある以上、それもできず……;;;

すみません、申し訳ございません;

どうやら食品庫のカードキーが何者かによって持ち出されてしまったようで;

ただいま大急ぎで捜索しておりますので、どうかもう暫しお待ちを……!;

(土下座)

……;
シバは席に戻り、

料理がでてこない事情をみんなに話した。

えーーーっ!?

厨房で、食品庫のカードキーの盗難ー!?;

困りましたねぇ。

外で食事をすませようにも、近隣には何もなさそうですし……。

おいおい食事はまだかァ……?

エミエルが腹が減ったと癇癪を起こしはじめたんだが……。

(ユケイの背後に現れる)

あっ、ジギ。

あのね、なんかね、厨房でトラブル発生なんだ。

食品倉庫が開かなくて、料理の提供ができないんだって。

な、なにィ……?;

この客数を相手に、それはかなりの一大事じゃないか……????

……よし、

オレ様がなんとかしてやろう。

ほーーーん?!

(ジギの後を追ってみる)

ジギが厨房に申し出たのは、

なんと今から総動員で料理を作ることだった。


有無を言わさず、暗黒のゲートから大量の新鮮食材が運ばれてきた。

理解不能な力を目の当たりにしつつも、厨房員達は現状を乗り切ることに同意した。

ジギの先導のもと、厨房が忙しく回転をはじめる。


メニューは変われど提供の目途が立ち、

館内アナウンスにて2時間遅れの提供になるという。

それまでは苺や魔界の果物が無料で配られ、騒ぎは一時収まりをみせるのだった。


厨房に入ってしまったジギの後ろ姿を遠目から眺め、

ユケイは打ち震えた。

す、すごい……。

これが主人公ってヤツか……。

オレも、オレだって何かしたい!


……そうだ!

食品倉庫のカードキーを盗んだヤツを探して捕まえよう!!

はいい!?

なーーに言ってるんですか。

そういうのは警察に任せるんです!

ユケイ、なにやら外は猛吹雪です……!
先ほど向こうから、

町に繋がる唯一の橋が雪の影響で閉鎖されたと聞きました……!

つーことは、

警察が来ることはおろか、

犯人も現場から逃げられないって事だ。
……!

(何かに勘づく)

そうだね、リズ。

つまり犯人は、この旅館にいる……!

(ごくり)


……ハッ。

さっき手に入れたこの虫メガネ。

オレがシャーロック・ホームズみたいに手掛かりを探して、

犯人を捕まえろって事だったのか。

(キリッ)

おお~……。

いいぞ、名探偵ユケイ!

犯人を捕まえたらお手柄でいいことあるかも?

この林檎うま~~~っ♪

(一人でばくばく食べている)

ちょっとぉぉ~。

さっきから展開がベタ過ぎません?

アホくさいと思うの翠ちゃんだけー?

ユケイは虫メガネ(おもちゃ)を掲げ、

エルクとリズを助手として事件に立ち向かうことを決意するのだった!!




【後編】へ続く!!

(ドコドンッ)

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登場人物紹介

【 ユケイ 】

CRYSTAK CROSSの主人公。

ひょんな事から7つのクリスタルに封じられた記憶を取り戻すべく、翠と一緒に頑張る10歳児。

口癖は「ほーん」「~なんだよ」「~だよん」。

お化けが怖くて夜一人でトイレにいけない。

同年代や年下の前では頼もしいが、年上相手には甘えん坊になってしまう。

必殺技に変な名前をつけがち。

現実世界:エディ・ウィローシュ(10歳)

【 翠《すい》】

水のクリスタル所持者

ユケイ君が可愛すぎて毎日がハッピー☆

他のクリスタル所持者達を裏切りユケイの味方をしているが、色々とヒミツだらけ。

その姿はクリスタルの能力によってできた水の分身体であり、本体の所在は不明。

本の世界のルールについて、なにかと詳しいようだが……?

【 シバ 】

ユケイを利用して成り上がった、海賊船の船長。

銃の腕は超一流。

現実世界:シルヴァ・アディントン(16歳)

【 リズ】

無口で謎の多い竜族の女の子。

ユケイに執着しており、どこまでも追いかけてくる。

現実世界:リズリット・ローリー(10歳)

【イナフ】

竜族の研究所に囚われていた竜族の青年。

ユケイと共に研究所からの脱出を試みる。

身のこなしが素早く、足技が得意。

現実世界:イアン・ハイアット(16歳)

【エミエル】

光のクリスタル所持者

竜界の覇者であり、竜族達を束ねる王。

少女の姿をしているが2000年以上生きており、その正体は巨大な竜である。

魔王ジギとは仲良しこよし同盟を結んでいる。

好きな食べ物は苺。水が苦手で風呂嫌い。

【 ジギ 】

闇のクリスタル所持者

魔界の支配者であり、魔族達を従えている王。

闇の魔法を操る魔法使い。気付いたらエミエルのお世話を焼いている。

見た目の雰囲気に反して、可愛い小物やお菓子作りや裁縫が好き。

キュンは1日3度まで。4度目は死(?)に至る。

万姫《ワンヂェン》

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

千人斬りの異名を持つ。

元は風の国の第一皇女。全ては敬愛するボスの為に。

現実世界:王・深緑(ワン・シェンリュ)(17歳)

ヤグール

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

魔獣使いの異名を持つ。

万姫を気にかけている。

現実世界:ヤーコフ・スミス(44歳)

バル・ムワ

三大海賊団『ネヴァサ』の船長がひとり。

強欲の王の異名を持つ。

スー

竜族三姉妹の長女。

万姫のお世をしている竜族。

透視や近い未来を予言する能力をもっている。

現実世界:王 思颖(ワン・スーイン)(42歳)

【イルヴァ】

竜族の王国を守護する白薔薇騎士団の団長。

エミエルに絶対の忠誠を誓っている。

三度の飯よりイナフのことが好き。

超泣き虫。

現実世界:オリヴァー・イェリデン(15歳)

【 ラダリェオ 】

類まれな戦闘の才を持っているが、

残酷なことが嫌いな変わり者のロゴドランデス族。

セスとイナフにはめっぽう弱い。

わりとツンデレ。

現実世界:ランドルフ・ハイアット(38歳)

【 エバ 

人間界に生まれ竜界で育った、

砂漠に住まう力自慢の竜族。

マイブームはラダリェオと戦うこと。

現実世界:エマ・アシュバートン(36歳)

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