第2話 ありがとうを伝えに

文字数 994文字

 8月も終わろうとしているのに、まだまだ暑いですね。

 母が亡くなって、まだ1ヶ月も経っていないのに、随分と前の出来事だったように感じる。介護に関わった人たちの名前も忘れそうだ。母の他界を知らせた友人たちは、私を気遣うために音信不通。この気持ちがアラ還になると、やたら沁みる。有難いとさえ思う。介護中は人と話したい衝動に駆られたのに。今は全力疾走、満身創痍の成れの果て。1人の時間がどれだけ大事なのかを学んでいる。

 それでもやるべき事はやっておきたい私。昨日は、介護中にお世話になった方々のもとへ挨拶に行った。もちろん1人で。仕事中にお邪魔するので、時間と順番に気を配った。調剤薬局→介護用品店→訪問看護師→地域包括支援センター→ヘルパー→ケアマネジャー→訪問医師。調剤薬局は介護時の関わりは無かったが、母が長年通院していた頃の馴染みで、私も親しくさせてもらっていたので、亡くなった事を知らせたかった。父の死から僅かな間の母だったので、相当驚かれ、残念がってもくれた。この人たちとの付き合いも今日で終わるのかと思うと切なかった。

 訪問看護師さん達とは、介護上で1番密になった。年齢の隔たりない言葉使いが、とても嬉しく頼しかった。私の立場をよく理解してくれていたので、サポートは完璧だったと思う。2ヶ月弱のお付き合いだったが、信頼関係は時間を優に超えた。こちらも別れが辛い。

 地域包括支援センターでは、ケアマネジャーの選定、介護認定の区分変更などに携わってもらったのだが、担当者が不在だった。実は会っておきたかった人。話の流れで分かったのだが、中学時代に私の所属していた部活動の後輩。

 ヘルパーさんは、週1で、しかも私が帰宅している時に来ていただいていたので、ほとんど会わなかったが、たまたま顔見知りの人が挨拶の対応をしてくれ、充分にお礼を言えた。

 ケアマネジャーさんはアラフォーぐらいの男性。介護に関わるあれこれを、母が退院する日から亡くなる日まで、素早く対応してくれた。後に再会した訪問医師もケアマネジャーの仕事ぶりを褒めていたほど。

 1番お礼を言いたかった訪問医師は遠隔診療をされていた。何でも体調不良で明日から復帰だとか。タイミングは悪かったが私も遠隔で再会し、お礼を。直に会うよりも良かったかもしれない。きっと話が止まらなくなっただろうから。

 皆さん、本当にお世話になりました(涙)
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