第6話:嵐山家の子供達の将来2

文字数 2,388文字

 今年は嵐の日が多く外に出られない日が続き1995年を迎えた。新年の挨拶に行き、お餅と簡単なおせち料理をご馳走になった。和子も良三も札幌から帰ってきていて末っ子の好恵が和子にお姉ちゃん休みの日に札幌に行って良いか聞き一緒にショッピングや洋服屋を見に行かないかと言った。札幌に来る日を前もって言ってくれれば2時間位つき合ってあげると言い、また電話するよと言った。

 良三の方はと言えば学校と勉強と家庭教師のアルバイトで忙しく今年初めて里帰りしたと言い、そして勉強に疲れた時に広い大学のキャンパスの緑の中を散歩すると、いろんなアイディがわいてきて良い環境だと喜んでいた。幸夫は、みんなの元気な姿を見てまた今年も宜しくと言って嵐山家を後にした。3月に好恵が苫前商業高校を受験して合格た。その知らせを聞いて幸夫が嵐山家を訪ねてきて合格の祝いを言って何か記念になるものを買ってやると言った。

 だから母さんと一緒に苫小牧の町に買いに行こうと言い家を出て2時間位して素敵な冬コートを買ってもらい好恵が上機嫌で帰ってきた。それを着て、ぐるっとモデルの様に回って見せると安江が似合ってるよ可愛いよと言うが男連中は興味なさそうに見ていたので嵐山家の男って何も言わない優しくない男ばかりだと言うので幸夫が素敵だよ最高だよと言うと、ありがとうと微笑んだ。

 少しして帰る時に好恵と母の安江が、こんな高いもの買ってもらってありがとうと言い、その後、好恵は商業高校の帰りに毎日の様に町中の洋品店のウインドウショッピングを欠かさないようで、お得なセールの情報を嵐山家の連中に教えていた。その後、好恵が高速バスで札幌に出かけ、和子とい買い物したりして、たまに、安江も好恵と一緒に高速バスで札幌へ出る様になった様だ。

 そんな事で今年の夏休みは7月27日、札幌の先、小樽に行ってみる計画を立て、当日は幸夫が安江と寛太と好恵と二郎と一緒に朝早い電車で小樽へ向け出発し2時間半かけて小樽に着くと和子と良三が小樽の駅で待っていて運河沿いを散歩して硝子工芸の店を見て回り昼は有名な寿司屋に入り、昼食をとった。天狗山に登り眼下に広がる雄大な海を眺めて旧日本銀行や名所、旧跡が多い素敵な所だった。夕飯用に海産物市場で干物を買って帰った。

 1973年10月に買ったソニー株が上昇してきて1975年11月に1400円で売り利益が546万円、残金が673万円となった。1975年は南ベトナムの首都サイゴンが陥落してベトナム戦争が終わった。陥落直前に米兵や南ベトナム高官をのせたと思われるヘリコプターが逃げる様に飛び立ったのが思い出されアメリカの衰退を象徴しているかの様であった。

 1976年を迎え、この年はロッキード事件が2月5日に米国で発覚して戦後最大の汚職事件となり7月には田中角栄元首相が逮捕される事態となった。この年の5月に幸夫が寛太を家に呼び、お前も22才になり、もう一度、高校の勉強をしないかと言うと、この年で高校へ行けと言うのですかと聞き返した。

 今、ラジオ高校講座講座というものをやっていて全教科受ける必要もないんだと言い休みの時、勉強しないかと言い録音しておいて後から勉強する事ともできるとNHK高校講座の雑誌を見せてくれ、良かったらカセットテープレコーダーで授業をカセットに録音してやるから始めてみないかと言うとNHK高校講座の雑誌を貸してくれますかというので渡すと、考えてからに返事すると言うことで良いですかと言ったので了解した。

 翌週の日曜に寛太がやってきて鉛筆で丸した授業を受けたいと言い、もし幸夫さんが録音しておいてくれたら、それを聞きながら勉強しますと言ってくれた。来た時に録音したカセット渡すから嵐山家で勉強するのが嫌だったら休みの日ここで勉強しても良いと言い、そして、もしわからない所があれば、言ってくれ多分、教えられると思うと言った。

 英語1、ベーシック数学、数学1、数学、理科、地理、日本史、物理基礎、国語総合に印がついていたので録音した。最近嵐山家の子供達は個々に出かける様になったので夏休みの旅行はやめることにし、カセットに各教科の単元を録音したものができはじめて海が、しけてる日や日曜など寛太が頻繁に幸夫の家に来て勉強する様になり、しばらくして1977年を迎えた。

 新年の挨拶に幸夫が嵐山家を訪ねて、長女の和子に北大を出たら次は何するのと聞くと私は既に大学で教職課程を取っているので卒業した後は研修を受けながら7月の教員採用試験に合格すれば道内の高校の教師になれると言いそのため、最短で今年の7月に試験に合格する目標で勉強していると言った。

 良三に医学部での状況を聞くと医者になるには6年過ぎて24才で研修医になり2年間の研修期間、病院で研修を受け26才になって自分の希望する専門の科、内科、外科、整形外科・・の医者になって、病院で実地訓練を受けて腕を磨く事になると言い、だから、まだまだですと笑った。

 1,2月と荒れた日々が続き寛太は幸夫の家に来て高校講座のカセットを聴きながら寝そうになると起きろと幸夫に怒られながらも地道に勉強していった。母の安江が家に帰ってこない寛太を不思議に思い、そっと後をつけると幸夫の家に入るのを見て幸夫の家をノックをし入ってきた。そこには、こたつに寝てる寛太がいて、幸夫は、そっとして起こさないう様にした。

 安江に通信高校講座の事を話すと声を上げずに涙をぽろぽろながして、そんな事してたのと驚いた。小さな声で、あの子は昔から計算が早く人との話しもすぐに理解する賢い子だったので、高校に行かないと言ったときには本当に可哀想な事をしたと思っていたと話して、寛太が起きる前に帰るからと言って、そっと帰っていった。
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