最終話 神の化け物は希望の夢をみるか?

文字数 388文字

「ここは……?」
「ようやくたどり着いたか。遅かったな」
「私はあなたに謝らなくてはなりません。あの日、力を振るったことは神の御心ではなかった」
「もう、善い。私も間違っていた。私は神の力ではなく神の御心を求めるべきだった」
「赦して欲しいとは言いません。ただのしもべとしてあなたの傍にいれれば」
「それは私も同じだ。でもね、そんなことはきっと神は望んでいないよ。語ろう。私達は何が足りなかったのか? 時間はある。未だ猶予はある。話せば分かる」
「それがあなたの願いですか?」
「私がやり残したことだよ。私達は話すには余りにも時間が短すぎた。だから、後の方々が同じことをしない様に話し合うべきだ。たとえ、相容れなくともいつか分かり合えると信じて」

 そうして、二人は次へと歩むのだ。

 それは地上の記録にも残されていない天の伝承だ。

                            -了-
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