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文字数 663文字

 目を覚ますと、見知らぬ部屋に居た。


 辺りは真っ暗で、薄暗い。どうしてそんな場所にいるのか思い出そうとしたけど、思い出せなかった。


 最後の記憶は、学校の帰り道。お守りを拾ったところだった。そのお守りには梵字のような文字が書いてあった。真っ赤なペンキみたいなものがべったりとついていて、私は思わず投げ捨てた。


 その時、丁度トラックが通りがかって、お守りは潰れてしまった。私は気味が悪いとは思いながらもそのまま家へ帰った。

 ――まさか、あの時お守りを捨てたから?

 ううん、あり得ない。


 それより、誰かにさらわれたんじゃないか。体をまさぐったが、制服に乱れがないし、おかしなところはなさそうだった。

 そのことにほっとしつつ、これからどうしたらいいんだろうと思った。


 暗がりに目が慣れてくると、そこは広い部屋だと分かった。

 立ち上がり、少し歩いた。部屋の隅に、もう一人誰かが寝そべっていた。


 警戒しながら近づいたが、セーラー服を着た女の子だと気づいて声をかけようと思った。

「ねえ……大丈夫?」

 女の子は目を覚ました。髪は長くて、あどけない感じの可愛い子だった。私よりも年下かも知れない。

 女の子は私を見ると、驚いたように体を反らした。

「だ、誰ですか? ち、近寄らないで下さい!」
 女の子はひどく狼狽していた。目を覚ましたら、真っ暗で知らない人が目の前に居たら、それは驚くだろう。
「大丈夫。私は別にあなたに危害を加えるつもりはないから」
「え……?」
「それよりも、ここが何処だか知ってる?」
 女の子は辺りを見回してから、首を左右に振った。
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登場人物紹介

【宮本素子(みやもともとこ)】16歳
責任感が強く、面倒見がいい少女

【月宮(つきみや)やよい】14歳
気が弱くて、守ってあげたくなるような女の子

【霧崎(きりさき)まどか】17歳
理知的な雰囲気の少女

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