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文字数 419文字
その扉を開けた瞬間、たくさんの目を意識して、硬直した。
やよいちゃんは小さな悲鳴をもらした。
まどかさんだけが平然と言った。でも、まどかさんの言うように、無数の目の正体は仏像だった。
もっとも、100体くらいはある。
正体が分かっても、異様な光景であることに変わりがない。
私は今まで通ってきた三つの部屋のことを思い浮かべていた。
どれも異質で、私の知っているような普通の建物のように思えなかったのだ。
と、私は言ったが、ぜんぜん納得していなかった。
博物館の人が私たちを攫うとは思えなかったし、なんと言えばいいだろう、もっとうす気味悪い場所に思えたからだ。
とやよいちゃんが言った。