第12話 創造剣とオーク(10号)

文字数 1,752文字

・創造スキル(物理)-LV5

-創造可能数5個

おっさんはこのスキルを主軸に話を進める。

「道理で強いと思ったら、そんな凄そうなスキル持ってたんだな」

おっさんは剣を創ろうとしていたが、それをここで見せるべきか逡巡していた。

「・・・レイガスとミルルといったか、あんたらは今回の戦況をどうみている?」

おっさんは判断材料とすべく質問をぶつけてみることにした。

「戦況ははっきり言って、まずい。

魔王軍の幹部が動いている情報が入ってきている以上、

一刻も早く雑魚モンスターを駆除し、精鋭部隊の体力を温存しつつ、

主要戦力を削りに進める必要がある。俺たちはその先行部隊ってわけだな。」

レイガスの発言に頷きを返す、ミルル。

「雑魚モンスターと言っても、あいつらはどう見ても赤色勲章持ち。冒険者報酬案件の友達にはなれないな」

「報酬案件?・・・冒険者組合あるんだな」

「おいおい、どこの田舎もんだよ。冒険者組合知らないのか?」

「すまんな、田舎者で最近こっちの国に来たんだよ」

おっさんは田舎者という設定から、たまたま武者修行で他国の争いを聞いてやってきたことにした。

「武者修行って、本当に田舎から来たんだな。・・・ま、このご時世だモンスターの溢れる世の中になって、都は滅んできていやがる、

あんたは幸い強い。生き残る術はあるってもんだ」

レイガスはガハハと胸を張り、おっさんを認めたようだ。

「でも、1人であの武装したゴブリンを蹴散らせるなんて、凄いです!!」

ミルルが目を輝かせて、おっさんに羨望の眼を向ける。

「ミルルさん、レイガスさん。俺は知らないことが多いようです。少しで良いので、教えていただけると嬉しいです。」

おっさんが頭を下げるとレイガスとミルルは任せとけと頷きを返し、近寄ってきているオークに視線を向ける。

「さて、奴が次のターゲットらしい」

おっさんもオークに視線を向け、判断したのかその左手に創造剣:風(Lv5)を創り出すべく意識を錬成する。

おっさんの頭から左手に沿いながらオレンジと緑色の渦上のオーラと呼べるものが徐々にその形を模っていく。

「ウイングソード」おっさんの左手に風属性の剣が創られた。

「「おお!!!」」レイガスとミルルが驚愕な声を出す。

「ふむ。こんなもんか・・・どれ」

ブンッと近くの木に向かい間伐気分で切りつけると・・ズシン、綺麗な切り口の伐採が完了した。

「!ななな、なんつう切れ味だよ、それ!」レイガスとミルルがまたもや顎が外れそうになるくらい驚いている。

「?そんなに驚いているということは、珍しいのか?」

レイガスとミルルが呆れたような顔をしている。

「珍しい?そんな生易しいレベルの代物じゃないって。

この切り口みたらすぐ分かるが、こんなものすぐに用意できるお前が異質だよ!」

「異質って。聞こえはよくないが、了解。あまり人前では創らないようにするよ」

「あーそうすべきだな、こんな戦場じゃなければ、詳しく話を聞きたいが、・・・そうもいかないようだ」

―レイガスとミルルが身構え、武器を構える。おっさんはまだ試し斬りしたいと思っていたが、

オークがすぐ目の前に来ているからと、姿勢を変え、ウイングソードを片手に身構える。

――

ウイングソード

属性:風

タイプ:片刃剣

サイズ/重量:
・長さ100cm
・幅5cm
・柄10cm
・重量20kg

使用素材:
・おっさんイメージ

切れ味:100%

攻撃スタイル:斬撃・刺突・打撃

使用ポイント:振る際に生じる遠心力による負担と隙を軽減するため、その重心を持ち手の近くに収めること

――

おっさんが剣のステータスを確認し終わったところで、オーク=10号が手に持った斧をおっさんに向かって振り投げてきた。

おっさんは斧の動きを見切り、直撃を避けるため、横向きに身体を動かしウイングソードで斧を空中で横から叩き落とす。

叩き落としたとき爆風がその場を支配するが、オークは斧を投げていたと同時に突進してきていた。

おっさんはオークの動きに付いていけていない。・・・おっさん・・・どうなる?次回に続く。

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