第9話 大陸からの使者

文字数 141文字

 大陸からの使者である青年は黒髪に枝を挿していた。
 枝には艶やかな緑の葉が茂り淡い橙の小花が咲いていた。小花のかぐわしい香りは皇后のおわす玉座にも立ち上ってきた。
「名は」
 青年は面伏せたまま女帝に答えた。
「キンモクセイでございます」
 女帝は大層気に入り後宮に青年の名を与えて植えた。
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