第40話 待っている

文字数 143文字

 僕は待っている。
 何度モクレンが咲いて散っても、セミが鳴いては死んでも、カエデが赤く色付いては枯れ落ちても、雪が降っては溶けて消えても待っている。
 いつも遊んだこの神社で待っているから。
 膝を抱えた僕の頭に誰かが触れた。
 顔を上げると大人の女の人がくしゃくしゃな笑顔でしゃがんでいた。
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