第８話：小渕総理の急逝、大雨と結婚の話

　特に、女性に対し、どう扱って良いのかわからず、声をかけるなんて、とてもできなかった。このまま行けば、一生独身と言う可能性もあり、愛想をよくして、女性と出会える様にしようと考え始めた。その後、柿生が、里村に新婚旅行は、どこへ行くつもりだと聞くと、彼女は、ハワイに４泊６日で、行きたいと言っているので、そうなりそうだと語った。

　金は、あるのかと聞かれ、足らなければ、父に借りると話した。結婚式場はと聞くと会社の友人が多いから、会社の近くの武蔵中原の近くの結婚式場を予約すると明かした。みんな、来てくれるようなといわれ、行くしかないだろうと笑いながら答えた。子供は、どの位、欲しいと言われたが、それは神のみぞ知ると、訳の分からない事を言って煙に巻いた。

　そんな先の事よりも新しい住まい探しや結婚式場の費用、新婚旅行の費用などで、頭がいっぱいだと本音を漏らした。柿生が、そっと、櫛田に、お前、特定の彼女がいるかと唐突に聞いたので、いるわけないだろと答えると、そうだろうなと言い、浮かない顔になったので、お前は、どうなんだと聞くと、笑いながら、同じと、答えた。

　そんな話をしていると２２時になり割り勘で支払いをして高尾へ帰った。そして、２００１年、２１世紀の幕が上がった。１月９日、富士フィイルムの工場に出勤してサークルはないかと探してみると麻雀俱楽部の案内が目に入り連絡先が書いてあった。そこで昼休み、早めに、昼食を終えて、その連絡先の総務課へ行くと、三枝智弘さんがいて、サークルに入りたいのですがと言うと了解ですと言われた。

　月、水、金の１９時から娯楽室の奥のマージャン室に４台のマージャン卓があるからやりましょうと言われた。詳細は、その時、また話しますと言うと、午後の仕事開始のブザーが鳴り響いた。数日後の金曜日、指定された場所に１９時に行くと７人が来ていて三枝さんが、ちょうど良いと言い８人そろったので始めましょうと言った。８人のうち男性が５人で、女性が３人であった。それぞれネームプレートをつけていたので名前が分かった。

　そのうち、麻雀が白熱してくると、上手な人とそうでない人が、わかってきた。その中で、女性ながら大胆な勝負をする、ちょっと太めと言うかグラマーな感じの女性で増田俊美と書いてあった。櫛田も麻雀は得意な方で、好きであった。その後、ひっかけで、５萬を切ってリーチをした。すると、すぐに増田俊美さんが、８萬を出しロンと言いメンタンピン一発ドラドラで、跳満というと、えーと声をあげた。

ひっかけとは、男らしくないわねと、櫛田の顔をにらんだ。ちょっと、ついていただけですよと言った。その後、増田さんが、その後、調子がくるってハコテンになってしまった。その回は、櫛田がトップを取った。その時、小さな声で、疫病神みたいねと櫛田に告げた。れから、増田さんが、ツキに見放されて、負け続けた。

　２１時になり終了となった時、増田さんが、今度、お酒でも、おごって下さいねと、笑いながら櫛田の顔をじっと見た。櫛田も彼女の顔をよく見ると、理知的で美人で、自分のタイプだ。その後も週に２回は、参加するようになった。すると５月の連休にハイエスを持っている仲間の車で８人で、沼津へ釣りに出かけた。

　８月には、富士高原ドライブに出かけても意外に近いので日帰りで帰って来ることができた。そのため増田俊美さんとの距離も急に近くなった。彼女が、桜、バラなど花が好きなこともわかった。しかし、その１週間後、２００１年９月１１日、火曜の朝「アメリカ時間」、イスラーム過激派テロリスト集団アルカイダによって米国のワールドトレードセンターにハイジャックされた大型旅客機が突っ込んだ。

　このテロ攻撃によって２９７７人が死亡、２万５千人以上が負傷し、長期にわたる健康被害に加えて、少なくとも１００億ドルのインフラ・財産の損害を受けた。消防士と法執行官の犠牲者はそれぞれ３４３人と７２で、米国史上最悪のテロ事件となった。

　翌１２日、アメリカのＷ・ブッシュ大統領は、テロとの戦いを宣言。また、この中で、ターリバーン政権の関与が示唆された。ラムズフェルド国防長官は、ウサーマ・ビン・ラーディンが容疑者であり、また単独の容疑者ではないと発言した。