第十話～攻略法～
文字数 617文字
さあ来るといいよ、新人さん。
は、はい。
(さっきの立花さんと同じ様に何も考えずに突っ込めば結末も同じ。けど私の武器で使えそうな物はこのホーリーキーの移動能力ぐらい…。目くらましの光も目を布で覆っているセツナさんには効かない…瞬発力でも勝てる気がしない………これって最初っから負け確定の試合！？)
これはエルには不利な試合かなぁ…。
…これに賭けるしかない！
エルはセツナに向かって走り出す。先程のエイラのように。
さっきのエイラと同じ様にするっていうのか…？
やああああ！
ロッドを大きく振り上げる。
…思い違いだったか。さっきみたくすぐに決めさせてもら……！？
気が付けば目の前にいたエルがいなくなっていた。そしてセツナに影が落ちる。
上か！
上を見上げれば羽根を広げ、空を飛ぶエルがいた。その姿はまさに天使。
ごめんなさい！
ガキィンッ
勢いをつけてロッドを振り下ろし、金属音が聞こえると同時にセツナの持っていた二丁の銃はセツナの後ろへと吹き飛ぶ。
っ！
やった！
面白い、私の銃を吹き飛ばしたのは君が初めてだ。でも新人さん、一つわかってない事があるよ。
えっ。
私が銃を使うのは本当の武器を使う相手に巡り合えていなかったからさ！
セツナはにやりと笑みを浮かべ、拳をエルへ打ち込む。
きゃっ！！
すかさずロッドで防御するもセツナの拳は重く、エルは後ろへと吹き飛ばされる。
ガハッ…！
やっぱり私の思った通り…君は私の本当の武器を使うに値する。
私の本当の武器…それは、私のこの拳。
