第一話～運命の出逢い～
文字数 1,022文字
さあ試合も大詰め！ランキング上位烏天狗のエイラ！25連勝まであと一歩！！
くっ…たあああああああ！！！
…悪あがきも醜いわよ？
ザシュッ
決まったぁぁ！！エイラの渾身の一撃！！25連勝制覇決定！！！
ワアアアアアアアアアっと歓声が鳴り響く。
時は20××年。
世界ではTranceWorldFight、通称TWFが正式なスポーツとして認知されている。
TWFとは個人の身体能力、知識、潜在能力などあらゆる面を調べ上げ、それに見合った種族を選び戦うというもの。戦いと言っても様々なジャンルがあり、野球、サッカー、普通のスポーツもある。その中でも一番のジャンルは格闘技。この格闘技は気絶させれば勝ちというシンプルなルール。気絶さえさせればどんな技を使ってもいいという理由も人気の一つだ。
…。
此処にも一人、TWFへと憧れる少女が…。
格闘技なんて野蛮だよ…。
あれ？
きっと聞き間違いだろう。この時代、TWFが嫌いな人なんていな…。
TWFなんて好きになれないなぁ…ああいうの見ると。
…ま、まあこの子もいつかは好きになってくれるだろう。暫く様子を見てみよう。
あら、天使さんじゃない。
あ…た、立花さん…。
突然話しかけられた少女。
どうやらこの赤リボンの少女は黒髪の少女の知り合いのようだ。
何を見ていたの？
…あら、私の映像じゃない。なあに？天使さん、TWFには興味ないって言ってたくせに。
今から参加しようっていうの？あはは、無理無理。あんたみたいに鈍くさくて弱っちいやつにできる競技じゃないの。わかる？
さ、参加するつもりなんてないよ…。それに興味もないし…。
そう、あんたは参加しなくていいの。参加したってどうせ負けるだけだからね。
じゃあまた学校でね？
赤リボンの少女は散々言いまくった後にひらひらと手を振りながら去って行った。
…はぁ…。
立花さんに勝てるわけなんかないよね…。
……でも…もし力があったら…。
力ならある…。
え…？
何処からか声が聞こえた。
何処かで聞いたような、懐かしい声。
先程の彼女に負けない力を貴方は持っている…。
鞄を開けてみて…？
鞄……あれ、こんなの入れた覚えないのに…。
声に言われるがまま恐る恐る持っていた鞄を開くとそこには見覚えのないリングが入っていた。
それが貴方に力をくれる…さああの塔へ…。
その言葉を最後に声は聞こえなくなってしまった。
塔…ってTWFタワー…？
……間違って入ってたかもしれないし、行ってみよ…。
少女はTWFが所有するTWFタワーへと走っていく。
