第8話 ライプチヒ教授着任と第5回ソルヴェイ会議
文字数 1,650文字
同じ年、ハイゼンベルクはブリュッセルで開かれた、ベルギーの化学者・実業家であるエルネスト・ソルヴェイが1911年に初めて開催した物理学に関する権威ある会議、ソルヴェイ会議の第5回に出席している。
この有名な第5回会議は、量子力学が完成し、需要された1つの
この会議の主題は「電子と光子」であり、世界中の高名な(キラ星のようなその名前は集合写真以下を参照、ハイゼンベルクと関係が深い人には★を付けた)物理学者が定式化されたばかりの量子力学について議論を交わした。同年にヴェルナー・ハイゼンベルクによって不確定性原理が導かれ、量子力学の解釈を巡る激しい議論が繰り広げられたのもこの時期である。
【写真中の人物】
後列:オーギュスト・ピカール (電気推進式深海観測船「バチスカーフ」発明), エミール・アンリオ(カリウム、ルビジウムの自然放射線), ポール・エーレンフェスト(エーレンフェストの定理など), エドゥアール・ヘルツェン(ベルギーの物理学者), テオフィル・ド・ドンデ (ベルギーの数学者、化学者: 数理生物学の草分け), ★シュレーディンガー(オーストリアのノーベル賞受賞の理論物理学者:「シュレーディンガーの猫」), フェルシャフェル (ベルギーの物理学者), ★パウリ (スイスのノーベル賞受賞物理学者:スピンの理論等), ★ハイゼンベルク (ドイツの理論物理学者, 量子力学に貢献), ファウラー (英国の物理学者・天文学者), レオン・ブリユアン(フランスの物理学者:量子統計力学の開拓者),
中央:デバイ(オランダのノーベル賞受賞物理学者・科学者:電気双極子モーメントの研究、分子モーメントの単位名), クヌーセン(デンマークの物理学者・海洋学者:木田に海洋学の開祖), ローレンス・ブラッグ (イギリスの物理学者:現代結晶学の創始者の一人), ★クラマース (オランダの物理学者:クラマースの縮退定理等), ★ディラック (イギリスのノーベル物理学賞受賞理論物理学者), コンプトン(米国のノーベル賞受賞物理学者:コンプトン効果), ★ド・ブロイ (フランスのノーベル賞受賞理論物理学者:ド・ブロイ波), ★ボルン (ドイツのノーベル物理学賞受賞物理学者), ★ボーア (デンマークの理論物理学者: 量子力学の確立に貢献),
前列:ラングミュア (ノーベル化学賞受賞米国の物理学者、科学者), ★プランク (ノーベル物理学賞受賞のドイツの物理学者:量子論の創始者の一人), マリ・キュリー(ノーベル物理学賞、科学賞受賞のポーランドの物理学者・科学者), ローレンツ(オランダのノーベル物理学賞受賞の物理学者), ★アインシュタイン(ノーベル物理学賞受賞の物理学者:相対性理論等), ランジュバン (フランスの物理学者), ギュイ (スイスの物理学者), ウィルソン (スコットランドのノーベル物理学賞受賞物理学者:ウィルソンの霧箱), リチャードソン(イギリスのノーベル物理学賞受賞物理学者: 熱電子現象の研究)
第5回ソルベー会議出席者(1927年)
(東芝デバイス&ストレージ(株) Facebook記事【第5回ソルベー会議開催の日】より。ハイゼンベルクにノーベル賞の記述がないが、彼は1932年の物理学賞を単独で1933年に受賞している。ハイゼンベルクと同僚たちのノーベル賞受賞については後で触れる。)
6日間の会議の間、ハイゼンベルクをはじめとする行列力学の支持者たちは、ボーアと量子力学のコペンハーゲン解釈を後押しして手を組み(★ボーアも中央列向かって一番右に写っている、★ハイゼンベルクやパウリやシュレーディンガーは新進だから後列、★アインシュタインやキューリー夫人は前列にいる)、アインシュタインら波動力学をより強く支持する物理学者たちによる反対を論駁した。