第2話

文字数 482文字

八景山くん、今日も告白されてる。
何で?
ケッコンしたら、名字ハゲヤマになるんだよ。
わかるわ。
八景山くんの魅力が、そんなデメリットを打ち負かしてる事。
みんなみんな、コスパを気にする時代よ。
メリット・デメリットを量りにかける。
多少のブスでも、八景山くんとの子なら可愛いのが出てくる筈。
そんな、八景山くんの優しさに付け込んだ打算。
外見の醜さ以上に、わたしはそんな「心のブス」がゆるせない。
そしてそれを、八景山くんへの真っ直ぐな恋なんて誤変換する脳みそなんか、半分取っちゃえば良いと思う。
だけど、あれ?
八景山くんが中学から続く「デイリー告白」を断り続けるのは、ひょっとしてわたしのせい?
わたしこそ、くだらない目先の事情にとらわれて、何か大事なものを喪ってしまうんじゃないか?
みんなの白い目は、そんなわたしの浅はかな性質を見透かしてるんだろうか?
はたちを越えて4年が過ぎ、そんな悩みが尽きないわたし。
八景山くんは、ずっと一途にわたしを想ってくれてる。
脳みそ半分取っちまいたい。
それは、わたしだ。
明日、八景山くんに、わたしも好きだと言おう。
ハゲヤマヒカル。
受け入れるしかねんだ。
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