第11話

文字数 414文字

結婚式は一生モンの想い出。
大好きな彼と周囲も羨む盛大な式を、って願いは叶わなかった。
コロナ禍。
それともうひとつ、わたしたち、夫婦別姓を選んだから。
彼の両親はサバサバしてて、気にしてなかったけどウチの両親が。
特にパパ頑固だから、両家が顔合わせる時は必ず「娘がわがまま言ってすいません」と空気を重くする。
わたしは伊藤麻耶。
彼は山田要。
そう、やまだまや。
回文。
友達は、「絵本作家みたいでかわいいじゃん」と他人事。
わたしだって、伊藤だろうが山田だろうがどっちでも良いし、要くん大好きだからおんなじ苗字になりたかったよ。
要くんもご両親も「うちは名前の通り、ありふれた家だから、まやちゃんの苗字にしても良いよ」って言ってくれてた。
だからわたしたち、そうするつもりだった。
そこまでほんとにトントン拍子だったんだ。
それがパパの反対で全部ご破産。
頑なに要くんの婿入りを拒む。
実際どっちとも同居するわけじゃないんだし、形式上の事なのに。
なんでだろ?
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