第13話 六本木トワイライトゾーン

文字数 952文字

○東京港区麻布 深夜1:00am
(太郎)参ったなあ、久しぶりの社のフェイスシールド宴会だったけど、すっかり道に迷ってしまった。
尿意をもよおす太郎。
おしっこしたいな。

けど、こんな高級住宅地じゃ立ちションも出来ないし、かと言って付近に公衆便所もなしか。

太郎、古さびた神社を発見。
おやっ、あんなところに神社が。

あそこなら人目にもつかないぞ。

不謹慎にも御神木で用を足す太郎。
シャーっ!
ふーっ、生き返ったぞ。
ぐらっ!ぐらっ!
あれっ、地震だ。

しかもこなり大きいぞ。

震度4くらいかなぁ。

ふらふらとした千鳥足で神社を出る太郎。
あれっ、濃霧だ。

東京で珍しいなぁ。

太郎、濃霧の中で歩くこと数分。
おーい、待て!そこの不審者、止まれ。
はっ、あんた誰なんですか?

こんな東京のど真ん中で迷彩服なんか着てさ。

それは、こっちが聴きたい。

ワタシは、米陸軍東京憲兵隊の遊撃監視員、サンダースサイトウ軍曹だ。

身分証明書を提示して下さい。

米陸軍?身分証明書?

あんた、日本の警察官でもないのに何言ってるんですか?

気は確かですか?

もう旧日本国は消滅して無い。今は、2080年。

ここは、米国の日本州だぞ。徴兵登録の確認をしたいので、IDカードを見せたまえ。

仕方なく、運転免許証を提示する太郎。
これで、いいですか?
これは、旧日本製の運転免許証。

アンティークショップで偽造したものだな。

不審者として六本木の憲兵隊本部まで来てもらおう。

そんな馬鹿な。
サンダース軍曹に連行される太郎。
○六本木、憲兵隊本部
さあっ!

おまえも日本州の州民なら、この徴兵登録の同意書に署名するんだ。

これに署名したら、どうなるんですか?
市ヶ谷で半年間の新兵教練を受けたのちに

中東戦線に派遣される。

いやだ。戦争なんて、まっぴら御免だ。

署名は、断固拒否する。

この非州民がっ!
バキっ!
警棒で頭を叩かれ昏倒する太郎。
うーん
...zzzz...
お客さん!朝ですよー、起きてください。
うん?ここはどこ?中東?
六本木交差点の喫茶店「アーモンド」でしょ。

全く夜遅く来て、コーヒー一杯頼んだらばったり寝込んじゃってさ。

あれっ?今、何年?
令和二年でしょ。
ここ、日本?
当たり前でしょ。日本じゃなかったら、どこなのさ?
ふーっ、何か知らんが戻った。
モーニング?それともお勘定?
あっ、それじゃあモーニングお願い。
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