第8話 山谷堀のお龍
文字数 1,041文字
○東京台東区南千住、日本堤
深夜0:30AM
チョロチョロ、
サラサラ(水の音)
辺りには、濃霧が立ち込める。
目抜き通りには、ずらりと並ぶ小料理屋と置屋。
立看板を見つける関西の営業マン。
赤提灯「お龍」に入る営業マン。
ガラッ
刺身を出された漢。
さんざん飲み食いして二時間後、丑三つ時。
態度が急変する女将。
主人登場。
客の襟首を掴み引き連れる主人。
牛漢ってなんなん?ワイはネズミトシやで、星座は蟹座だけどな。せやっ、Visaはどうや、ゴッツイ払えるでえ。出る所に出たってええんや、今時電子マネーが使えんて、東京も遅れてるで。知事の小瀧友理恵はんも鈍臭いな。
自身番は、吉原大門の中だっ!明け六つまで開かんわっ!
自身番ってなんや?関東大震災の寝ずの番かいな、それにしてもアンタ不細工な割に自信まんまんやな。
とりあえず日頃世話になってる万戸楼にぶちこんでやるわいなっ。
万戸楼はんっ?喜んでいいんやろか。