その18 ダンジョン

文字数 1,271文字

野良のパーティーを組むことになった俺たちは、

敵が沸きやすいダンジョンで狩ることに決めた。

猫大使:

どこがいいかな?

なっつん:

このレベル帯なら、エビが一番だと思うよー。

まりまり:

おけ。

じゃあ私のメインでダンジョン前まで送ってあげるね。

エビってなんだ?
エービーシー遺跡のことだよ。略してエビ。

地下1階なら、このレベルでも十分狩れる敵が沸くダンジョンだよ。

なるほど。

4人で狩るならあまり苦労しないですみそうだな。

まりまりのスキルでダンジョン前まで移動した俺たちは、

エービーシー遺跡に入り早速狩り始めた。

ウボァー……

うわ!

ちゃんと遺跡っぽいモンスターが出てきた。

当たり前のことに驚いているね。
今まで訳の解らん敵に襲われたりしてたからな……。
なっつん:

私は支援型だから攻撃スキルは控えるねー!

クソジジイ:

チチビンタ!


猫大使:

おお、さすがクソジジイ族のチチビンタ。

いいダメージが出るね!

まりまり:

火力職がいると頼りになるねー。

褒められている気がしない。
ヴヴー
あうあうあ~
ウボォー
あ、クソジジイだ!

ぶっ殺して棺にいれよーっと!

まりまり:

さすがにここは湧きがいいね。

ソードインパクト!

クソジジイ:

もはや当たり前のように混じってる

あのNPCの存在には突っ込む気も失せるわ。

猫大使:

ファイアスロー!

オ"オ"オ"……。

グオ"ー!
容赦なくスキルを使わないでくれよ。

こっちの身にもなってくれ。

喋ったぞコイツ。

そりゃ喋るモンスターだっているでしょ。

フィールドにいるあの鳥だって喋ってるし。


いや、今まで叫び声しかあげてなかった奴が

急に喋りだすとかおかしいだろ……。

このダンジョンにはさ、秘密のお店があるんだぜ。

だけど、どこに入口があるのか誰も知らないそうだ。

だぁぁ!

戦ってる最中にのん気なこと言ってんじゃねーよ!

それお前が言うべき台詞じゃねーだろ!!

モンスターにダンジョンの情報を喋らせることで

プレイヤーの攻略を手助けする仕様にしてるみたいだよ。

町の人に喋らせろよそれ。
武器や防具は装備しなけりゃ意味がないぜ!
まりまり:

出た、武器防具ミイラww

なっつん:

愛嬌があるよね~。

猫大使:

僕は道具ミイラが好きだな~。

この感性にはついていけん……。
しばらくミイラを狩り続けていると、

パーティーのすぐ近くに石の塊のようなモンスターが現れた。

爆発すっぞ!

マジ爆発すっぞ!アア!?

猫大使:

げっ、ダイキライだ!


まりまり:

うわっ、横湧きとか最悪。

クソジジイ:

こいつ強いの?

なっつん:

レベルの高い自爆をしてくる強敵だね。

放っておけば、そのうち勝手に移動するから

間違えて攻撃しないようにしてね。

女子高生:

うわ、なにこいつきもーいwww

ていうかちょーダサイwww略してちょサイwww

クソジジイ:

あ……。

女子高生が言うことを聞くはずもなく、

ダイキライは女子高生の一撃で爆発炎上。

メンバー全員が死亡してしまった。

ごめん、あの子の存在忘れてた……。
女子高生:

みんなこんがりんぐ~www

ちょーうけるんですけどぉwww

猫大使:

女子高生ちゃんはドジっ子だったか。

まりまり:

そんなところも可愛い。

こいつら正気か。
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登場人物紹介

【七 茂夏(なな しげなつ)】

通称なっさん。

色々なゲームをプレイして遊んでるゲーマー。

その素顔は謎に満ちている。


市販のゲームは大抵遊び尽くしてしまう程暇を持て余しているが

別にニートというわけではないらしい。

ゲームは上手くプレイするより楽しんでプレイする派。


服や下着をよく盗まれ、

スマホに女の子の情報を登録すると消され、

お気に入りの夜のオカズを消される。

全て幼馴染である恵美の仕業。

色々と散々な目に遭わされている。


恵美の事はクレイジーな女だと思っており、

恐怖の対象であるが、何だかんだで一緒に遊ぶくらいには仲が良い。

【大文字 恵美(だいもんじ めぐみ)】

茂夏の幼馴染。

勝手に茂夏の家の合鍵を作り、

毎日のように茂夏の部屋に不法侵入している。

当たり前のように茂夏のパンツや靴下を持っていき、

コレクションとして自分の部屋にお持ち帰りしている。

色々と危ない。


独特の感性を持っており、

「なっさんの顔はとてもチャーミング」と思っている。


将来、茂夏の嫁になるために

茂夏の彼女になりそうな女を片っ端から調べて

徹底的にそのフラグをへし折っている。


茂夏の両親には既に『とても出来た女の子』と思わせており、

外堀は埋め終わっている模様。

じわりじわりと茂夏の背後から迫っており、

その背を捕らえるのはもはや秒読み段階。

ある意味ホラー。将来の山姥候補。

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