第12話 (その後のこと)
文字数 451文字
お母様(時姫)がお亡くなりになってから、ずいぶんな時がたった。私(詮子)が皇子をお産み申し上げた時、お母様は病に伏していらっしゃり、度々お見舞いに伺った。その折、お母様から、陰陽師に「姫君は、稀有な運命をお持ちです。位人臣を極める男君と結ばれ、お子達も、それぞれ最高の位におつきになり、姫君は国母となり、天皇をお産みあそばされるでしょう。」と占われたという話を聞いた。
皇子を見ることなく身罷られたが、皇子はすくすくとお育ちになり、その皇子が、今の帝の一条天皇。東宮は、お母様を追うように亡くなられた姉上の産まれた居貞親王(後の三条天皇)がお立ちになった。私は、確かに国母となった。姉上も、お亡くなりになったとはいえ、国母になられることであろう。
父上は、幼い一条天皇をお助けするため、摂政に任じられていらっしゃる。父のお役目は、兄上方に引き継がれることであろう。私は、それをお助けし、摂津の守の娘であった母上と、藤原北家の三男に生まれた父上の子である私たち兄弟姉妹の繁栄に尽くしていこうと思う。
皇子を見ることなく身罷られたが、皇子はすくすくとお育ちになり、その皇子が、今の帝の一条天皇。東宮は、お母様を追うように亡くなられた姉上の産まれた居貞親王(後の三条天皇)がお立ちになった。私は、確かに国母となった。姉上も、お亡くなりになったとはいえ、国母になられることであろう。
父上は、幼い一条天皇をお助けするため、摂政に任じられていらっしゃる。父のお役目は、兄上方に引き継がれることであろう。私は、それをお助けし、摂津の守の娘であった母上と、藤原北家の三男に生まれた父上の子である私たち兄弟姉妹の繁栄に尽くしていこうと思う。