第12話  (その後のこと)

文字数 451文字

  お母様(時姫)がお亡くなりになってから、ずいぶんな時がたった。私(詮子)が皇子をお産み申し上げた時、お母様は病に伏していらっしゃり、度々お見舞いに伺った。その折、お母様から、陰陽師に「姫君は、稀有な運命をお持ちです。位人臣を極める男君と結ばれ、お子達も、それぞれ最高の位におつきになり、姫君は国母となり、天皇をお産みあそばされるでしょう。」と占われたという話を聞いた。

 皇子を見ることなく身罷られたが、皇子はすくすくとお育ちになり、その皇子が、今の帝の一条天皇。東宮は、お母様を追うように亡くなられた姉上の産まれた居貞親王(後の三条天皇)がお立ちになった。私は、確かに国母となった。姉上も、お亡くなりになったとはいえ、国母になられることであろう。

 父上は、幼い一条天皇をお助けするため、摂政に任じられていらっしゃる。父のお役目は、兄上方に引き継がれることであろう。私は、それをお助けし、摂津の守の娘であった母上と、藤原北家の三男に生まれた父上の子である私たち兄弟姉妹の繁栄に尽くしていこうと思う。
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登場人物紹介

 主要人物

時姫             道長の母 兼家の正妻 子供は5人(五番目が藤原道長)。

受領の中の君 道長の父兼家の2番目の妻 子供は1人(藤原の道綱)。  百人一首に選ばれている有

       名な歌人 日本三大美人にも選ばれている。

兼家     道長の父 藤原北家、右大臣藤原師輔の三男。後に摂政、関白、太政大臣になる。

 主要人物以外の男君

師輔   道長の祖父 兼家の父 右大臣

伊尹   道長の伯父 兼家の長兄 

兼通   道長の伯父 兼家の次兄

道長   兼家と時姫の3男 他の人が生んだのを入れると5男  

村上天皇 伊尹・兼道・兼家の義兄(異腹の姉の夫)

冷泉天皇 村上天皇と安子の皇子

 主要人物以外の女君

安子   道長の父の姉 師輔の娘 伊尹・兼道・兼家の異腹の姉 村上天皇の妻(女御)

超子   道長の姉 兼家と時姫の娘 冷泉天皇の妻(女御) 三条天皇の母

栓子   道長の姉 兼家と時姫の娘 円融天皇の妻(女御) 一条天皇の母


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