森田昌弘(ヒロ)

文字数 1,731文字

森田昌弘(ヒロ) 身長175cm
琴音と同じ地元の男の子。
良く言って幼馴染。普通に言えば腐れ縁。

小学校の入学時、机を二つ一組で隣り合わせという配列だったのだが、出席番号順に並んだ時に、琴音の名字の望月、ヒロの名字の森田、同じ”マ行”ってだけの理由で、たまたま隣同士になった事から関係が始まった。
これぞ腐れ縁って感じだが、小学校は二年ごとにクラス替えが行われていた中、三年生に上がると同時にクラスが離れ離れになり、それ以降は一度も同じにならなかったのだが、それでも関係は変わらずに続き、今こうして、通う中学まで違うというのにも関わらず継続中だ。

見た目は表現が難しい。何せもう何年もの付き合いなので、ヒロの顔なんかまともに観察したことが無いからだ。だからどうしても印象でしか言えないが、まぁ本人がどう思うかは置いといて、たまに鼻に絆創膏を張っている様な、一般的な田舎のガキ大将って感じの風体をしていた。琴音の中のイメージは、中学生になった今でも、小学校の夏休み、タンクトップに膝丈のジーンズを履いて元気に走り回っている、そのヤンチャな姿で止まっているのだった。それはしかしでも、中学生になった今と変わらないと見ていいと思う。良くも悪くも成長していない…風にしか見えないからだ。
ただ、小学校の時はツンツンのスポーツ刈りだったのが、中学に上がってから坊主頭にしていた。
これが唯一の変化と言っても過言では無いだろう。

駅前の、地元にしては繁華街にある一軒家に住んでいる。

小学校低学年から地元の、近所の河原のグランドを本拠地とする野球クラブに所属しており、今も続けている。ポジションはショート。話には出てないが、今はそのクラブでキャプテンとの事だ。
中学でも野球部に所属しており、二足の草鞋だ。ポジションも同じ。聡が顧問を務めている。そこでは副キャプテンらしい。
琴音は幼い早い段階から何度もヒロに、試合を観に来る様に誘われていたが、元来出不精、それに、根本的に野球に興味がなかった事もあり、裕美に無理やり連れ出されるまでは、一度も観戦に行ったことが無かった。

さて、作中でも触れたが、琴音としてはあまりヒロを褒めたくは無いのは山々でも、一応今また触れよう。
ヒロの良いところ、そして、琴音が心底信用している部分、それは…誰も裏切ったことが無い事だ。
普段誰かと一緒にいて、思い込みやすれ違いのせいで、している本人はその気が無くても、受け手から見て思っていたことと違う事をされると、多かれ少なかれ、自覚的か無自覚かはともかく、裏切られたと感じるものだ。その原因は細かく言えばキリがないけど、大体お互いに自分を良く見せようとか、下らない見栄をはる、もっと露骨に言ってしまえば”嘘をつきあう”ために起きる。
その嘘がずっと続けられれば大丈夫でも、どこかでやっぱり無理が出て来て、アラが出た時に受け手がそれを見て失望する…とまぁ、そんな考えの齟齬が生じてしまうのは、人間関係においてよくある話だが、ヒロにはそこがない。
良く見られようとか衒うようなことが、まるでない。あまりに能天気で、物事を深刻に考えずやり過ごしてしまう、たまに、いやしょっちゅう後ろから蹴りたいと思うことがあったが、自然とブレずに相手と裏なく付き合える性格に、琴音は何度も救われているとしっかり自覚し、密かに感謝もしていた。
それを証拠に、ふとしたキッカケで、ヒロは琴音と義一の関係を知ることとなったが、この時に、琴音がこの事について、誰にも言わない様に懇願したのだが、それをヒロは中学になった今でも、それなりにバレそうになる状況に遭遇してすら、秘密をしっかりと守り通してくれている。
不本意にも巻き込んでしまった挙句に、身勝手なお願いだったのにも関わらず、この件などは特に、本当に心の底から感謝をしていた。これは勿論、絵里、裕美に対しても同じなのは言うまでもない。
まぁ…そんな感情を持っていても、顔を合わせると、ついつい憎まれ口、軽口を叩いてしまうのだが。

…っと、後、急に話が変わるが、ヒロが果たして、裕美のことを実のところ、どう思っているのか…?それについてはまだ…先の話だ。
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