海の稜線 (2014/8/30)

文字数 602文字

2004年3月初版 2005年6月4版
著者:黒川博行
創元推理文庫



第151回直木賞受賞の黒川さんは、今回6回目の候補での受賞。
サントリーミステリー大賞も佳作賞2回にめげず最後に大賞受賞ということから、
なかなかの根性作家でしょう。
黒川ミステリーを代表するのは大阪府警本部シリーズと、極道シリーズ。
どちらも大阪弁の会話がキュートでオモロイ。
警察ミステリーと言えば、現在は百花繚乱、もはやリーグ制にしてみたいくらい
作品が溢れかえっている。
その意味においては黒川作品は間違いなく「阪神タイガース」になるだろう。
とすれば、ジャイアンツは今野敏作品になるかな。
僕はと言えば、やはりメジャーリーグの方が好みだ、
「87分署シリーズ」はそのまんまヤンキースに違いない。

閑話休題、
近年の黒川作品は阪神タイガースと同じく、胃に負担が大きすぎる。
読み終わると、どっと疲れてしまう。
で、直木賞受賞を機会に初期の名作・・・との評価が高い本書を試してみた。
大阪府警捜1深町班のデカ長と東京人(研修中のキャリア警部補)との軋轢が
漫才のように描かれてはいるが、現在ほどのアクの強さはない。
それもそのはず本作品は1987年に書かれている、刑事が携帯電話を持ってない時代だ。
銃器も登場しないし、薬物もないどこか牧歌的な刑事物語だ。
浪速vs 江戸のバトルも可愛いもので、極道も絡んでこない。
読み終わった後、物足りなさを感じるのは我ままでしょうか?
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