カジノミクス ― カジノ解禁、アベ銀行、年金積立金バクチの秘密 

文字数 846文字

(2019/5/4)
2018年12月10日 初版
著者:大門美記史
新日本出版社



宝くじ、その中でもジャンボ宝くじを買うことだけが僕の唯一の賭博行為だった。
最近のTVCMで 役所広司さん演じるタイムスリップサムライが 「3千万円の家が10軒」とか「1千万円の車が30台」とか言い始めたあたりから、なんとなく宝くじへの強要というか、射幸性喚起の程度を逸脱するメッセージを感じ取っていた、いやな感じだった。
直近のグリーンジャンボ(?)のCMでは、元ヤンキーでアナーキーな芸風が売りだったがいまやNHK御用達タレントにのし上がった鶴瓶さんが語り掛ける:
『宝くじを買わないという選択肢はないやろ』・・・すごく嫌な感じだった。
で、もう僕は賭博から足を洗ったのである。
もちろん、鶴瓶さんのその責任はない、世の中が賭博を奨励する方向に舵を切ってきたということなのだろう。

長期間にわたる賃金の抑制、その大きな原因になっている非正規社員増加政策、一部の創業者や金融機関のための株高騰による利益の囲い込み、
その結果としての富の格差の拡大、そんな状態に置かれた経済的弱者にとって「賭博」くらいしか、一発逆転のチャンスはない。

そんな心理を読み切ったかのような「宝くじCMの射幸性増幅傾向」は、2018年7月の「特定複合観光施設区域整備法 (カジノ実施法)」の採決を起因とす一億総カジノ化とでもいうような政治・経済状況のわかりやすい現象かもしれない。

本書は二部構成、
一部では「カジノ実施法」の反社会性、売国性、違法性について告発し、
二部では「カジノミクス」と揶揄して日銀の「異次元の金融緩和」の危険性と真の狙いを告発し、同時に年金積立金運用の問題点と危険性を明確にしている。

著者は日本共産党参議院議員、大門美紀史さん。
安倍政権を糾弾できるのが共産党だけなのが歯がゆい。

カジノに地域創生・復活を委ねる地方行政、株高の恩恵にすがる国政議員、国民・住民の立場に立てない野党のていたらく。
日本の将来は、令和の未来はとてつもなく暗い。
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