潔白の法則/リンカーン弁護士 (2023/7/17)

文字数 743文字

2022年7月15日 第1刷発行
著者:マイクル・コナリー 訳:吉沢嘉通
講談社文庫



マイクル・コナリー25冊目の長編サスペンスであり、リンカーン弁護士シリーズとしては第6弾になる、絶好調のリーガル小説だとする宣伝コピー通りの仕上がりだった。

マイクル・コナリー最新作が常に最高作になってきたのは何時のころからか、覚えていないほど毎回心の底まで堪能し満足を覚えるようになってしまった、ある種の依存症と言えるのかもしれない、マイクルノンストップサスペンス依存症!

日本版文庫上下の表紙がリンカーンフロントグリルになっている、どちらかというと品格には欠けるデザインだし、もはや昔のようにリンカーンの中で弁護士業を営むこともない主人公ミッキー・ハラーだが、本作ではリンカーン車内どころではない、拘置所内で弁護を強いられる羽目に陥る。それも自分の弁護を、それも金銭目的殺人罪の弁護を。

リンカーン弁護士のピンチをテーマにした作品はこれまでも珍しくもない、ただし殺人罪への執拗な検察側の追及、そこにはこれまで刑事弁護士として成し遂げた実績への警察・検察の露骨な反発が込められている、リンカーン弁護士最大の正念場になった。

殺人罪の罪を着せられる主人公の孤独な戦いに協力するリンカーン弁護士チームオールスター。
お馴染みの異母兄弟ハリー・ボッシュはじめ、元妻、二番目の妻、現在の恋人、娘、調査員たちが主人公を支え、協力する構図になっている。
そこに、またしてもFBI 連邦規模の犯罪捜査が微妙に絡まってくる。
主人公はいかにして無罪を勝ち取ることができたか?
読んでみてのお愉しみである。

裁判とは有罪か無罪かを争うゲームであるが、今回主人公が求めたのは潔白であり無実の証明だった。
リーガルサスペンスの完成形になっていた。
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