第5話

文字数 473文字

「早速だけど、ゴミ集めを手伝ってほしい。細かいルールがあるかそれも教えるね。あ、袋はこれを使って。あとなるべく詰め込んで、節約しないと怒られるから。それから分別のルールだけど…」

透日は一通りのやり方とルールを教えた。普段このように丁寧に教えることはない。「キレイにすればいいんでしょ?」と言って透日の言うことを聞く人は今までいなかったから。

「んー…もう既にパンクしそう。先輩はいつもこんなことを?」

「まあね。10年近くやってるんじゃないかな。正確なことは覚えてないけど…。ハルくんは、こっち側にきてどれくらい?」

こっち側、つまり国から追い出された側。
興味本位で聞いてみた。正直な答えは期待していない。きっと覚えていないと返ってくるのだろう。監視員だったとしても。

ハルくらいの若さの人間が、最近こちら側に移ったとしたら、人に知られたくない秘密や事情を抱えている場合が多い。
透日や海のように元々の産まれでない限り。

内側から追放される条件は、殺人、殺人未遂を犯し情状酌量の余地はないと判断された場合。

また、窃盗や強盗、恐喝を繰り返し行った場合も同様だ。
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