詩 五編 6

文字数 331文字

1 雪国

美しく かなしい声が こだまする
川端の 雪国の中の しの世界

2 ひだりのひと

せんそうを ゐとうこゑには
みみをあけ

しゅうせんを
はゐせんのなに よびかえて
こどもののうを あらうひと

左の人

戦争を 厭う声には
耳を開け

終戦を
敗戦の名に 呼びかえて
子供の脳を 洗う人

3 みぎのひと

せんしょうを いわうこゑには
みみとざし

はゐせんを 
しゅうせんのなに よびかえて
てゐこくのしを ゐたむひと

右の人

戦勝を 祝う声には
耳閉ざし

敗戦を
終戦の名に 呼びかえて
帝国のしを 悼む人

4 石庭

カラカラに 乾いた砂漠
枯山水に  水気なく
見上げれば 月
心に響く (そら)の鼓動

5 本の虫

虫たちは テクストを食べ 生きている
最初に食べる 声の本
いろんな味の 文字の本
虫たちは 食べた言葉で 生きている
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