第13話:ロッキード事件と汚職

文字数 1,527文字

 神戸市で全体で7千棟近い建物が焼失した。火災旋風は発生しなかったとされている。消防庁の資料によると地震後に計285件の火災が発生しているうち7割は地震発生当日の火災だが6時までの出火件数が87件と地震発生から一定時間が経過した後の発生が相当数ある。出火原因が判明したのは全体の約半数で、最も多かったのが電気による発熱体の85件でガス関係の13件、火種関係の12件と続いた。

 地震の翌日以降の出火では送電の再開に伴うものがかなりあったとされている。2月22日、ロッキード裁判丸紅ルートで、最高裁が田中角栄元首相への5億円賄賂の受け渡しを認めた1、2審の有罪判決を維持、最後まで残った元・丸紅会長と元・秘書官ら2人の上告を棄却した。16人が起訴された丸紅裁判では公判中死亡の5人を除く全員の有罪で決着した。

 3月20日には都内の地下鉄日比谷、丸ノ内、千代田各線の電車内に猛毒ガスのサリンがまかれた。そして、乗客や駅員ら10人が死亡して、5千人以上が重軽症を負った。3月22日から警視庁がオウム真理教関連施設を捜査した。その後、教団の幹部を多数逮捕した。そして、5月16日には松本智津夫「本名・麻原彰晃」代表を殺人容疑で逮捕された。

 10月28日水俣病被害者・弁護団全国連絡会議が政府・与党の示した最終解決案を受け入れ、事実上の決着した。12月6日乱脈経営で破たんした東京協和、安全両信用組合の不正融資に絡み、東京地検が山口敏夫元労相を背任容疑で逮捕した。1996年が明け2月に佐飛和富が神奈川県立多摩高校を受験し、その後、合格発表で自分の受験番号を見つけ合格した。

 4月から佐飛恵美が今井中学校に入学した。5月連休明けから佐飛和富は武蔵小杉の大学予備校に入学した。6月18日、住専処理のため6850億円の財政支出を実行に移す住専処理法と金融4法が参院本会議で成立した。11月21日、大蔵省が多額の債務超過に陥った阪和銀行「和歌山市」に業務停止命令を出した。銀行への同命令は戦後初めてであった。

 1997年が明け3月6日、野村謹券が総会屋親族企業への利益提供を認め、3月14日に酒巻英雄社長が辞任、5月30日に酒巻前社長を逮捕した。3月24日リクルート裁判で受託収賄罪に問われた藤波孝生・元官房長官に東京高裁が1審の無罪を破棄し懲役3年執行・猶予4年、追徴金4270万円の判決が出た。4月25日大蔵省が日産生命保険に業務停止を命令を出し経営破たんした。

 10月1日に大手ゼネコンからの収賄罪に問われた中村喜四郎・元建設相に東京地裁が懲役1年6月、追徴金1千万円の実刑判決を受けた。11月17日、北海道拓殖銀行が営業権を北洋銀行に譲渡すると発表し、都銀初の経営破たんとなった。11月24日、営業不振に陥った山一證券が自主廃業を決めた。1998年が明け3月11日東京地検が日銀の吉沢安幸証券課長を収賄容疑で逮捕した。

 そのため、松下康雄・日銀総裁が辞意を表明した。そして、3月20日に後任総裁に速水優・日商岩井相談役が就任した。4月5日、明石海峡大橋が開通し、本四連絡橋神戸~鳴門ルートの全線が開通した。4月14日、1997年度の企業倒産が1万7439件になり負債総額が前年度を65%上回る15兆1203億円で戦後最悪となった。

 6月12日、1997年度の国内総生産「GDP」が前年度比で0.7%減になりマイナス成長は23年ぶりで戦後最悪となった。9月27日、日本長期信用銀行系のノンバンクの日本リースが負債総額2兆4千億円で最大の企業倒産となった。10月23日には特別公的管理「国有化」になった。1999年が明けると2月に佐飛和富が慶応大学経済学部を受験した。
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