作品詳細

もしも敬虔な女子高生が〈神は死んだ〉のニーチェ作『ツァラトゥストラ』を読んだなら

「第一階層の『生理的欲求』は、生きていくための基本的本能的な欲求だ。 食べたい、飲みたい、寝たいとかだな。 この欲求がある程度満たされると次の階層『安全欲求』を人は求めるようになる。 第二階層の『安全欲求』は、安全・安心に暮らしたいという欲求。ここらへんまでは衣食住というやつだ。 その上に第三階層『社会的欲求』がある。これは、家族や仲間、友達が欲しいという関係性の欲求。ここまでは自分の外側に向かった欲求という意味で、低次の欲求と言われている。 そして、その上に進むと、内側に向かった高次の欲求になり、『尊厳欲求』と『自己実現欲求』というのがある」

364|学園・青春|連載中|46話|125,708文字

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☆ 女子高生がニーチェを読む!☆

敬虔なミッション・スクールの図書室地下で夜な夜な繰り広げられるという秘密の読書会。
学校では閲覧禁止のはずのニーチェの『ツァラトゥストラ』。
禁じられた哲学書を回し読む少女達は、いったい何を感じ、想うのか。
なぁんて難しそうな雰囲気を超解釈で吹っ飛ばすおちゃらけ哲学もどきの百合風ラノベ。
気がつけばニーチェ以外の本の紹介も出てきて、紅茶にお菓子をいただきながら楽しげに読書会の夜は更けていきます。

コメント詳細

書物のための書物

 フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラかく語りき』という実在の書物について書いた書物という珍しい構成を取っています。
 ニーチェは後世に多大な影響を与えたので、哲学方面では「生の哲学」の祖、文学方面では「実存主義」の先駆者の一人、という立場に位置づけられます。さらにはトーマス・マン作「ファウスト博士」やリヒャルト・シュトラウス作曲『ツァラトゥストラかく語りき』などニーチェからインスピレーションを受けて作られた作品も多くあります。
 端的に言うと、真面目にニーチェの研究をしようとすると、膨大な資料を漁らないといけません。
 この作品では女子高生の日常会話、という形式を取りつつもニーチェ思想の要点はきっちり押さえており、ニーチェの入門書として優れていると思います。

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