第33話:早期退職の話

文字数 1,134文字

 そして2001年5月17日、伊東吾郎と徹子が話合いを持って資産が5億円を超したので、早期退職しないかと言うと伊東徹子がもう少し考えさせてと言った。その後、伊東吾郎の勤めるイトーヨーカ堂で2001年中に早期退職者の募集が出て対象者は50歳以上。50歳で現在の退職金の200%、1歳ごとに10%減り55歳で150%という社内情報が流れた。そこで伊東吾郎が、これに乗ると2001年12月のボーナスをもらい、やめたいと言った。

 退職金が1200万円で180%で2160万円で、現在の自分の預金残高と合計して2500万円と言うと、伊東徹子がわかりましたと答えた。翌日、久松賢人部長に面会して自分の亭主が、株で7億円以上稼いで、お前も退職して良いと言い、その後、ゆっくりと、したい事をやっていこうと言われたのですか、どう思われますかと単刀直入に聞いた。すると笑いながら素晴らしい米国流のアーリー・リタアメントですね、素晴らしい事だと思いますよと言った。

 伊東徹子さんも特殊能力があるために随分苦労したことも十分わかっている。だから私としては喜んでアーリー・リタアメントをして残りの長い人生を楽しんで元気で生きてもらいたいと思いますよと言ってくれた。それを聞いている内に徹子は、昔からの事を思い出して知らず知らずのうちに、大粒の涙を流していた。そして久松賢人部長が、徹子、肩に手を置いて、よく頑張ってね、ご苦労さんでしたと最敬礼した。

 そこで思わず長い間、お世話になりましたと言って2001年5月18日局長室を後にした。徹子の資産が5千万円となった。その他、伊東吾郎からもらった1500万円で総合計6500万円となった。その後2人きりになって今後の人生設計を考えた。そして古くなった東京の賃貸マンションを出て、もっと良い所に引っ越しましょうと言うと吾郎が徹子にどこが良いと聞くと個人的には橫浜のみなとみらいに1997年に完成したMMタワーが良いと言った。

 現在の不況で、きっと売り物件が出ているはずよと言った。それでは、早速、明日、2001年7月7日に行く事にした。そして、みなとみらい周辺の大手不動産屋に購入希望を出して電話をくれるように指示した。その後、7月末迄に8件、6800万円から2億円までの物件が出ていた。その中でM不動産の池田誠さんが、もう少し待った方が、きっと安くて良い物件が出るから、2002年まで待った方が良いと言われた。

 そこで伊東吾郎が手数料100万円やるから、我々に良い物件を斡旋してくれと頼んだ。すると、驚いた様に、わかりましたと言い、現在売りに出てる物件の、良い点、悪い点を書き込んだレポートを、メールで送ってくれるようになった。
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