第14話:中学の仲間との水曜会

文字数 1,147文字

 そんな時に、本木徹子にとって、印象的な話は、仲良し5人組が集まって、昼食会の時の話しだった。その話とは、伊東吾郎の中卒の会社員は、使い捨てで、スーパーの実績が悪くなると、地方支店に左遷か、ひどいときにはクビにされる。 だから、サラリーマンは自立して、自分の富を築いていかないとダメだと言う話だった。

 もともと、伊東吾郎も、本木ほどでは、ないが、人の心を読んだり、行動を推測の力があった。更に、聡明で、自分の意見を持ち、他人が自分と意見と違うと徹底的に議論して論破するタイプだった。そんな姿に、賢さ、逞しさ、あこがれが、ミックスされて、好意を寄せていった。あるとき、本木が伊東に、自立して自分の富を築いくとは、具体的に、どういうことをして富を築くのと質問した。

 それに対して、アメリカでは、もう既に、行われているが、投資だよといい、自分がそう言う将来性のある会社の株を買って、長期保有して、その企業の成長と共に自分の資産を増やすことだと言った。例えば、どんな会社と聞くと、伊東が、僕が、将来性のあると思っている企業は、ソニー、トヨタ、三菱商事、三井物産、武田薬品、塩野義製薬、日立、お菓子の明治、資生堂なんかを見ていると言った。

 実際に投資を考えているのはと聞くと、ソニー、トヨタの成長性を買っていきたいと話した。そして、どんな本を読んだら聞くと、数冊の本を紹介し、良かったら、貸してあげるよと、バッグから2冊の本を渡し、これが、入門編でわかりやすいと、貸してくれた。 また聞きたい事があれば、夜か、定休日の水曜日なら空いてるから電話してと言われた。

 この話をしていても、他の3人は、株って、おっかないよなとか、そんなに金持ちでないから、無理とか、否定的な意見が多かった。しかし、本木は、アメリカでは、そう言う人が多く、金ができたら、人生を謳歌するために、早期退職して、自分の趣味を深める人。世界中を旅行して見聞を広める人。好きな、音楽、映画、ミュージカルを見て回る人など、多くの富裕層が出て来ているという話に吸い込まれるように、聞き入っていた。

 特に、早期退職して、残りの人生を楽しむというくだりが、耳に残り、自分も、そうなれる様に、頑張りたいと思うようになった。そして、本木も、早く、自立できるだけの財産を作って、お金に不自由しないで長く人生を楽しみたいものだと真剣に思った。また、世界旅行でアフリカ、欧州、アメリカを回った、多くの冒険をしたいと想像を膨らますようになっていった。

 自分が旅行するとしたら、フランス・パリ、イタリア・ローマ、イギリス・ロンドン、アメリカ・ニューヨーク、ハワイ、ロサンゼルスと夢は、どんどん広がっていった。そして、話をしてくれた伊東吾郎への思いも募っていった。
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