第13話:特殊捜査官の育成の任務1

文字数 1,030文字

 1977年12月5日から試験的に警視庁の管轄の東京都内で記憶力に優れた6人でモンタージュ写真、犯人に似ているという情報の写真との照合など効率的に照合し始めると犯人逮捕件数が着実に増えた。警視庁の久松賢人部長は、特別チームを組んで、犯罪人逮捕をするよりも、特別な能力を持った警察官を1人でも多く育成して、全国の主要警察署に配置したいと考えた。

 その特殊能力をを持った警察官の人数を増やした方が、将来的に効果的だろうと考えて、本木徹子に、その特殊能力を高める訓練の教官として、訓練係長に任命して、特殊手当と、時間外勤務手当を出し、宿舎と夕食を無償提供する事にした。その勤務時間を午後5時から夜10時の5時間として、それ以外は、自由に行動してい事にした。それでも、月に20万円と、通常の婦人警官の2倍の給料で年収320万円と破格の待遇を与えた。

 家賃がかからず、食事も朝食、昼食だけなので、預金が増えていくのが楽しみになった程だった。早速、1978年1月6日から、仕事を始めた。その後、久松賢人部長が、将来のために、本木さんの仕事の手順書をつくって、多くの特殊捜査官育成者を増やそうと考えた。そのためのマニュアルも時間のある時に、じっくり考えて、やって欲しいと言われ、本木は承諾した。

 そして、1月16日から、最初は関東地区から、各警察署で、記憶力、直感力、推理力に優れた警察官を男女問わず、毎日、10人、1時間当たり、2人ずつ、特殊捜査官養成候補者が◎、特殊捜査官候補者○、として判定して、次々に、口頭試問でふるい分けていった。実際にやってみると、かなり疲れる仕事で大変なことがわかった。

 しかし午後17時からなので、それ以外の時間は、自由で、気分転換ができ、何とか、継続して、やっていけると感じた。実は、これには、警視庁の久松賢人部長の大変な苦労があった。と言うのも、警察は、官庁の中でも一番頭硬い、部署で、警察で5時間労働なんて、信じられないとか、官舎、食事、が無料と特殊手当も優遇しすぎだとか、当初、かなりの抵抗があった。

 それを代替えできない貴重な戦力をつくるためには、これは、必要な事だと説得して、ことごとく、自分の意見を通して初めて実現したのだった。更に、久松賢人部長の本木に対する、絶大な信頼の絆があったというのも事実だった。その後、4月1日までに、約百人を審査して、特殊捜査官養成候補者2名、特殊捜査官候補者8人を選び出した。
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