第8話 欺瞞の勧誘
文字数 4,225文字
「そんな……吸血鬼やなんて……20世紀の現在に……そんなモンが存在しとるなんて……信じろっちゅうんが……無理な話やないか………?」
やっとのことで絞り出すような声を出した来栖龍人に、紫合鴉蘭は冷徹に告げる。
「来栖龍人君……科学技術の停滞は、可能性の否定から始まってしまうのだよ。
今ここに吸血鬼と云う伝説的な存在が実在している可能性がある、それだけで科学に隷属する使徒であれば……アハスエルスさんを
君がこんな絶好の機会を見過ごすのであれば、それだけで僕は残念極まりない部下を持ってしまったのだと云う誹りを受ける、哀しき指導教授となってしまうのだろうねぇ」
口調は軽いが、心底から残念な響きを醸し出す鴉蘭の声に、龍人はビシリと突っ込みを入れる。
「いや……紫合教授、国家機密にも連なる人物を勝手に解剖してしもたらアカンでしょ。
ましてや我々は悪名高き、
それにアハスエルスさんを解剖することが主目的やなくて、彼と面談をして……医師と患者が相互理解を深めるのが目的やと思っとるんですけど。
違 いましたか?」
龍人の鋭い視線と口調に、鴉蘭は『チィッ!』と舌打ちをしながらノリの悪い己の部下に心底から苛立っているようだった。
そんな師弟の様子を見ながら笑うアハスエルスは、何事もないような様子で告げる。
「まぁまぁ……紫合先生に来栖さん、今日は来栖さんの言う通り、私と来栖さんの初顔合わせと……私自身の来歴等の説明が主目的で間違いないと思いますよ。
それに……何にしても私が死ぬことはないのですから、解剖をご希望ならいつでも承りますしね」
アハスエルスの言葉にギョッとした顔を見せる龍人と、拗ねたようにプイッと顔を背ける鴉蘭。
そんな指導教授をほぼ無視して、龍人は面談の続きに入ることを決意する。
「さて……アハスエルスさん、引き続きの面談を宜しいですか?
貴方が不老不死であり、生活反応のない……医学的な常識の範疇からすれば
そして栄養素として1900年前から、血液を摂取しなければならない……吸血病に罹患していると云う事実については私も認定しましょう。
そのことを踏まえて、貴方がヤフシャ・ハマシアハことイエス・キリストとその布教の疑義について供述していた内容において、後二点の奇跡で用いた詐欺的な手法についてもご教示を戴ければと思います」
龍人の冷静さにアハスエルスはニコリと微笑み、鴉蘭は不機嫌そうな顔を引っ込めて眼を細め……ホゥと一息だけ感嘆の溜息を吐いた。
「ええ……そうでしたね、来栖さんの疑問も尤もです。
それではヤフシャ・ハマシアハが吸血病の感染源であると云う前提条件で、残された二点の奇跡についても読み解いて行きたいと思います。
先ず信徒の病や肉体的な欠損を治癒させた奇跡についてからです、先程の私が行った自傷行為からの復元……それこそがヤフシャ・ハマシアハが起こした
ヤフシャ・ハマシアハの前に引き出された信徒達は、その瞬間まで何らかの障碍を持っていたのでしょう。
しかしながら奴がヤフシャ・ハマシアハが、信徒の持つ障碍の箇所に
私は
その後について……これは予測でしかないのですが、ヤフシャ・ハマシアハが私に告げたように、奴は吸血病に感染した超回復力を持つ患者を滅殺する何らかの手段を持っていて、名もなき信徒がそれ以上吸血病を蔓延させられないよう、闇から闇へと葬り去ったのだと思われます。
それは彼らが、病から解き放たれた無辜の信徒達が、その後の歴史から
アハスエルスの独白に龍人は瞠目していた。
信徒達が吸血病に罹患し、元の病が平癒したと云う彼の論理に何ら矛盾点は感じられず、龍人はアハスエルスの言葉に首肯するしかなかった。
「そして最後に『食料や飲料の供給についての奇跡』ですが、こちらについても私なりに解答を見出しています。
食料についてですが、イエス・キリストの奇跡に出てくる食料を大別すると……魚と麺麭 と云う記述が見受けられます。
魚については巨大な魚、網に入りきらない魚等の記述で著されていますが…恐らくはカリィシュ のことだと思われます。
ヤフシャ・ハマシアハが自らを傷付け、その血肉を以ってカリィシュを呼び寄せて、信徒達に捕らえさせたのだと思われます。
後世の記述ではただイクテュウス となっていますが、当時の猶太近海で獲れる巨大な魚は……カリィシュで間違いないと思われます。
そして麺麭と云う表現で著されている
飢えた信徒達や弟子達にとっては、人肉であろうと何であろうと……無限に湧き出る肉塊は、妙なるご馳走であったのでしょう。
最後にカナの婚礼等で描かれる葡萄酒 の奇跡ですが、これは水にヤフシャ・ハマシアハの血を混ぜた液体であったと私は断定します。
検証のために私も、自身の血を水に混ぜて試飲してみたのですが……通常の製法で作られた葡萄酒とは若干異なるものの、その味わいは葡萄酒に近しい物でしたから。
それに聖書と呼ばれる書物にも、イエス・キリストが自らの肉を麺麭、そして自らの血を葡萄酒に例える場面が出てくるでしょう?
それらは古代においては文字通りの肉であり血であった物が、後世で記録される際に、寓意的に置き換えられただけの説話となったのでしょう。
流石に己が信じる神の御子の血肉を喰らう、食人 的宗教など……唾棄すべき対象になりこそすれ、信仰の対象とはなり得なかったでしょうから」
自説を言い終えたアハスエルスの顔は、嘘偽りを言っているような悪意を微塵も感じさせないものだったことから、龍人は彼の言い分を信じざるを得なかった。
しかしながら同時に沸き起こる疑問については、アハスエルスに問い質さずにはいられなかった。
「アハスエルスさん、貴方の仰る奇跡の内容については真実味もあり……論理的に破綻もしていないことから、信じるに値する内容だと私には思えます。
しかしながら、直接的な接触により癒やされ……その後において殺戮された信徒達と異なり、
病を平癒された人々と血肉を喰らった人々の間には、どのような差異があって……片方は何故に死に絶え、何故もう片方は生き残ったのでしょう?
そこが解消されない限り、私は心底から貴方の説を受け入れ難いのです」
龍人の言葉を聞いたアハスエルスは、疑いを持たれたことに怒ることすらせず、担当医に対して丁寧な態度で応えてみせる。
「来栖さん、普通に考えればその疑問に行き着くのは当然の理だと……話した私自身も思い至ります。
私自身も吸血病の感染者であることから、過去にこの病室と紫合先生の研究室を活用して、動物を使った実験を行なっているのです。
私自身は直接的に私のような吸血病の感染者を増殖させたくはありませんし、そのような行為を行うつもりはありません。
ですから天竺鼠 に
そしてその天竺鼠達は紫合先生の監視の許で、様々な状況下で傷付けられたり殺されたりしたのですが……一匹たりとも不老となったり不死性を得たりと云うことはなかったそうです。
……そうですよね、紫合先生?」
アハスエルスの問いに、満面の笑顔で鴉蘭は応える。
「その通り!
我が実験室にてアハスエルスさんの血肉を喰らった天竺鼠共は、同時期に産まれた同胞と一緒に天寿を全うしたり、僕の手で殺されたりしながら……全てが全て天に召されましたよ!」
実験動物に憐れみをかける必要は無いにしても、そんな嬉しそうな顔で話すことでもないやろ……等と龍人が考えている所へ、鴉蘭から思わぬ情報が差し込まれた。
「天竺鼠共が喰らったアハスエルスさんの血肉は、ヤフシャ・ハマシアハの行動履歴に則って与えたので……吸血病の病原菌は
僕としてはこの結果がどのように発露するのか、非常に楽し……いや……心配しているんだよ」
鴉蘭の言葉を聞いた龍人は、血に染まった己が両手を見遣り……全身に浴びた濃紅色の染みを見て茫然とした。
「い……いや…そんなん……聞いてないし…俺が……吸血病ウィルスに……感染したっちゅうんか………?
紫合教授!
嘘ですやんねぇ…嘘やって言 うて下さいよぉっ!!」
情けない表情と態度で、鴉蘭に泣きつく龍人に……鴉蘭は人の悪いニヤニヤ笑いを浮かべながら、つれない態度で返す。
「いやぁ、流石の僕も詳細を知らない入院患者に対して、あのような
それでも来栖龍人君、君は身を挺してでも患者の生命を救おうとする……見上げた志を持った素晴らしい医師だね。
ヘナヘナと崩れ落ちる龍人に、鴉蘭は更なる追撃の言葉を放つ。
「来栖龍人君、どちらに転んでも良い話なのかも知れないよ?
もし、君が罹患していなければ、吸血病ウィルスは
もし罹患していれば可及的速やかに、ここの病室を増床してあげるから……大船に乗ったつもりで安心し給え」
ワッハッハッと呵々大笑する己が指導教授に、龍人は暗澹たる思いで叫ぶしかなかった。
「この……………
悪魔ッ!!!!!
地獄に堕ちたらエエねんっ!!!!!」
やっとのことで絞り出すような声を出した来栖龍人に、紫合鴉蘭は冷徹に告げる。
「来栖龍人君……科学技術の停滞は、可能性の否定から始まってしまうのだよ。
今ここに吸血鬼と云う伝説的な存在が実在している可能性がある、それだけで科学に隷属する使徒であれば……アハスエルスさんを
切り刻んで解剖したい
との欲求と欲望に身悶えねばならぬのではないかな?君がこんな絶好の機会を見過ごすのであれば、それだけで僕は残念極まりない部下を持ってしまったのだと云う誹りを受ける、哀しき指導教授となってしまうのだろうねぇ」
口調は軽いが、心底から残念な響きを醸し出す鴉蘭の声に、龍人はビシリと突っ込みを入れる。
「いや……紫合教授、国家機密にも連なる人物を勝手に解剖してしもたらアカンでしょ。
ましてや我々は悪名高き、
旧帝国陸軍の731部隊
やあらへんのやから。それにアハスエルスさんを解剖することが主目的やなくて、彼と面談をして……医師と患者が相互理解を深めるのが目的やと思っとるんですけど。
龍人の鋭い視線と口調に、鴉蘭は『チィッ!』と舌打ちをしながらノリの悪い己の部下に心底から苛立っているようだった。
そんな師弟の様子を見ながら笑うアハスエルスは、何事もないような様子で告げる。
「まぁまぁ……紫合先生に来栖さん、今日は来栖さんの言う通り、私と来栖さんの初顔合わせと……私自身の来歴等の説明が主目的で間違いないと思いますよ。
それに……何にしても私が死ぬことはないのですから、解剖をご希望ならいつでも承りますしね」
アハスエルスの言葉にギョッとした顔を見せる龍人と、拗ねたようにプイッと顔を背ける鴉蘭。
そんな指導教授をほぼ無視して、龍人は面談の続きに入ることを決意する。
「さて……アハスエルスさん、引き続きの面談を宜しいですか?
貴方が不老不死であり、生活反応のない……医学的な常識の範疇からすれば
死亡している
状態にある。そして栄養素として1900年前から、血液を摂取しなければならない……吸血病に罹患していると云う事実については私も認定しましょう。
そのことを踏まえて、貴方がヤフシャ・ハマシアハことイエス・キリストとその布教の疑義について供述していた内容において、後二点の奇跡で用いた詐欺的な手法についてもご教示を戴ければと思います」
龍人の冷静さにアハスエルスはニコリと微笑み、鴉蘭は不機嫌そうな顔を引っ込めて眼を細め……ホゥと一息だけ感嘆の溜息を吐いた。
「ええ……そうでしたね、来栖さんの疑問も尤もです。
それではヤフシャ・ハマシアハが吸血病の感染源であると云う前提条件で、残された二点の奇跡についても読み解いて行きたいと思います。
先ず信徒の病や肉体的な欠損を治癒させた奇跡についてからです、先程の私が行った自傷行為からの復元……それこそがヤフシャ・ハマシアハが起こした
奇跡の奇跡であり得ぬ
実証に他ならないと私は思います。ヤフシャ・ハマシアハの前に引き出された信徒達は、その瞬間まで何らかの障碍を持っていたのでしょう。
しかしながら奴がヤフシャ・ハマシアハが、信徒の持つ障碍の箇所に
くちづけをして
神の祝福を与えたと伝承には残されている筈です。私は
噛み付かれて
呪いを付与されましたが、体液を……この場合は唾液ですが、ヤフシャ・ハマシアハからもたらされたことによって、吸血病の元となる病原菌を感染させられたのでしょう。その後について……これは予測でしかないのですが、ヤフシャ・ハマシアハが私に告げたように、奴は吸血病に感染した超回復力を持つ患者を滅殺する何らかの手段を持っていて、名もなき信徒がそれ以上吸血病を蔓延させられないよう、闇から闇へと葬り去ったのだと思われます。
それは彼らが、病から解き放たれた無辜の信徒達が、その後の歴史から
不自然な形で消え去った
ことからも推測可能かと思われますね」アハスエルスの独白に龍人は瞠目していた。
信徒達が吸血病に罹患し、元の病が平癒したと云う彼の論理に何ら矛盾点は感じられず、龍人はアハスエルスの言葉に首肯するしかなかった。
「そして最後に『食料や飲料の供給についての奇跡』ですが、こちらについても私なりに解答を見出しています。
食料についてですが、イエス・キリストの奇跡に出てくる食料を大別すると……魚と
魚については巨大な魚、網に入りきらない魚等の記述で著されていますが…恐らくは
ヤフシャ・ハマシアハが自らを傷付け、その血肉を以ってカリィシュを呼び寄せて、信徒達に捕らえさせたのだと思われます。
後世の記述ではただ
そして麺麭と云う表現で著されている
モノ
は、ヤフシャ・ハマシアハの肉体より切り取られた肉塊であったと想定されます。飢えた信徒達や弟子達にとっては、人肉であろうと何であろうと……無限に湧き出る肉塊は、妙なるご馳走であったのでしょう。
最後にカナの婚礼等で描かれる
検証のために私も、自身の血を水に混ぜて試飲してみたのですが……通常の製法で作られた葡萄酒とは若干異なるものの、その味わいは葡萄酒に近しい物でしたから。
それに聖書と呼ばれる書物にも、イエス・キリストが自らの肉を麺麭、そして自らの血を葡萄酒に例える場面が出てくるでしょう?
それらは古代においては文字通りの肉であり血であった物が、後世で記録される際に、寓意的に置き換えられただけの説話となったのでしょう。
流石に己が信じる神の御子の血肉を喰らう、
自説を言い終えたアハスエルスの顔は、嘘偽りを言っているような悪意を微塵も感じさせないものだったことから、龍人は彼の言い分を信じざるを得なかった。
しかしながら同時に沸き起こる疑問については、アハスエルスに問い質さずにはいられなかった。
「アハスエルスさん、貴方の仰る奇跡の内容については真実味もあり……論理的に破綻もしていないことから、信じるに値する内容だと私には思えます。
しかしながら、直接的な接触により癒やされ……その後において殺戮された信徒達と異なり、
ヤフシャ・ハマシアハの血肉を喰らった信徒達は生き延びている
のではないですか?病を平癒された人々と血肉を喰らった人々の間には、どのような差異があって……片方は何故に死に絶え、何故もう片方は生き残ったのでしょう?
そこが解消されない限り、私は心底から貴方の説を受け入れ難いのです」
龍人の言葉を聞いたアハスエルスは、疑いを持たれたことに怒ることすらせず、担当医に対して丁寧な態度で応えてみせる。
「来栖さん、普通に考えればその疑問に行き着くのは当然の理だと……話した私自身も思い至ります。
私自身も吸血病の感染者であることから、過去にこの病室と紫合先生の研究室を活用して、動物を使った実験を行なっているのです。
私自身は直接的に私のような吸血病の感染者を増殖させたくはありませんし、そのような行為を行うつもりはありません。
ですから
私が実験対象に直接くちづけたり噛み付いた
ことはないのですが、実験用の私の血を水で薄めたものを
を与えたり、私から切り取った肉を調理したもの
を与えたりしてみました。そしてその天竺鼠達は紫合先生の監視の許で、様々な状況下で傷付けられたり殺されたりしたのですが……一匹たりとも不老となったり不死性を得たりと云うことはなかったそうです。
……そうですよね、紫合先生?」
アハスエルスの問いに、満面の笑顔で鴉蘭は応える。
「その通り!
我が実験室にてアハスエルスさんの血肉を喰らった天竺鼠共は、同時期に産まれた同胞と一緒に天寿を全うしたり、僕の手で殺されたりしながら……全てが全て天に召されましたよ!」
実験動物に憐れみをかける必要は無いにしても、そんな嬉しそうな顔で話すことでもないやろ……等と龍人が考えている所へ、鴉蘭から思わぬ情報が差し込まれた。
「天竺鼠共が喰らったアハスエルスさんの血肉は、ヤフシャ・ハマシアハの行動履歴に則って与えたので……吸血病の病原菌は
嫌気性
のウィルスではないかと仮定出来た訳だけれども……本日、研修医の来栖龍人君が無謀にもアハスエルスさんの血液にゼロ距離で触れてしまった
からねぇ。僕としてはこの結果がどのように発露するのか、非常に楽し……いや……心配しているんだよ」
鴉蘭の言葉を聞いた龍人は、血に染まった己が両手を見遣り……全身に浴びた濃紅色の染みを見て茫然とした。
「い……いや…そんなん……聞いてないし…俺が……吸血病ウィルスに……感染したっちゅうんか………?
紫合教授!
嘘ですやんねぇ…嘘やって
情けない表情と態度で、鴉蘭に泣きつく龍人に……鴉蘭は人の悪いニヤニヤ笑いを浮かべながら、つれない態度で返す。
「いやぁ、流石の僕も詳細を知らない入院患者に対して、あのような
暴挙
に出る研修医がいるなんて…想像だに出来なかったよ。それでも来栖龍人君、君は身を挺してでも患者の生命を救おうとする……見上げた志を持った素晴らしい医師だね。
僕はそんな危険な真似をするのは
、死んでも御免だけれどもね
」ヘナヘナと崩れ落ちる龍人に、鴉蘭は更なる追撃の言葉を放つ。
「来栖龍人君、どちらに転んでも良い話なのかも知れないよ?
もし、君が罹患していなければ、吸血病ウィルスは
感染者の口を介してのみ伝染する
と云う証明になるだろうし、君が罹患していれば……研究対象となる患者が一名増員された
ってことになるんだから。もし罹患していれば可及的速やかに、ここの病室を増床してあげるから……大船に乗ったつもりで安心し給え」
ワッハッハッと呵々大笑する己が指導教授に、龍人は暗澹たる思いで叫ぶしかなかった。
「この……………
悪魔ッ!!!!!
地獄に堕ちたらエエねんっ!!!!!」