(三)

文字数 267文字

 その頃、福山秀司は同僚の車で夜の繁華街までやってきていた。一〇分程前に、現場で張り込んでいた捜査員から連絡があり、近田が姿を見せたというのだった。近田は狭い路地裏の方からビルの非常階段を上がっていったという。
 捜査員は、本庄組が経営するキャバクラの入った雑居ビルを監視していた。二人一組で三組を表に、一組を裏に配置して張り込んでいた。もともとは表側のみで張り込みをしていたが、一時間前に本庄組の幹部三人がビルに入っていくのが確認された。それなので、何かあると踏んで捜査本部は急遽捜査員を増員してビルに張り込ませたのであった。

(続く)
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