第8話 シスコンの呪い
文字数 1,559文字
愛ちゃんは僕を心配して傍に居てくれていたみたいだけど、どうやら最悪の状況を見られてしまったようだ。
そう言うと、愛ちゃんが顔を真っ赤に染めたまま目を閉じ、胸の前で十字を切って神様に感謝の言葉を呟いている。
顔を真っ赤にしたり、目をキラキラ輝かせたり、随分忙しそうな愛ちゃんを前に、コホンと咳払いをすると、僕が告白の続きを口にする。
そう、僕は何においても凛花を優先しようとしてしまう呪いに掛かっている。
普段は何とか理性で抑えているけれど、どうやら凛花が視界に入るとダメらしい。
今までは違う中学だったから気付かなかったけれど、同じ学校に居るとこんな事態が起こるとは思ってもみなかった。
どういうわけか、ほんの数秒前までは目を輝かせて僕の話を聞いてくれていた愛ちゃんが、突然ジト目になってしまった。
僕が何か変な事を言ったのだろうか。
ライバル? ……あ、うん。シスコン病じゃなくて呪いかな。それで二年前、中学一年生の秋の事なんだけどさ。凛花が小学校でハロウィンパーティをする事になったって言って、仮装というかコスプレグッズを買って来たんだ
何故か僕の話を聞いていた愛ちゃんが、ジト目を通りこして呆れ顔になっている。
若干やけくそ気味に言っている気もするけれど、僕は愛ちゃんにシスコンの呪いを解いて貰う事になったのだった。