第7話 可愛い中学生
文字数 1,466文字
眠そうな鈴木君を引っ張りながら教会を出ると、僕たちと入れ替わるように別のクラスが待っていた。
別のクラスと言っても、全体的に少し背が低いし、それに男子が居ない。
……あ、中等部か。高等部と中等部の間に教会があるし、流石に中等部用とか高等部用とかって教会が複数ある訳ではないようだ。
そして、僕の考えが正しい事を証明するかのように、
良く知る声が聞こえたかと思うと、その集団の先頭で跳びはねるように大きく手を振り、先生に何か言われてシュンとなる凛花の姿があった。
うん。いつもの無邪気な凛花も可愛いけれど、ちょっと悲しそうにしている凛花も可愛いっ! 後で、家に帰ったらお兄ちゃんが慰めてあげるからねっ!
そして、苦笑いしながら僕に小さく手を振る凛花へ、僕も小さく手を振って返す。
しかし、これって全員中学三年生だよね? 小柄だとは思っていたけれど、やっぱり凛花は背の順で一番前なのか。でも、それにしたって後ろの方に居る女の子なんて、発育が良過ぎじゃない? まぁもちろん凛花の方が可愛いけどね。
今まであまり知らなかった、僕の凛花の学校での様子を見れて嬉しく思っていると、
眠そうだった顔から一変して普段の顔に戻っている、鈴木君が話し掛けて来た。
まぁでも中等部は女子校だし、男女交際禁止とかって校則なんかはありそうだけど。
そういえば、高等部はどうなんだろ? 共学になった訳だし、そんな校則は撤廃されているのかな?
それは僕のすぐ隣に鈴木君が居たからそう見えただけなんだけど……そう告げようとした所で、
全く意味の理解出来ない言葉が耳に届いた。
えーっと、こいつは何を言っているのかな? バカなのかな? 僕の凛花に黒タイツだって? 凛花は家着にしている、Tシャツにホットパンツ姿が一番可愛いに決まっているじゃないか。
通学時の肌の露出の少なさとギャップがあり、尚且つその後、お風呂上がりのパジャマ姿へと繋がるコンボなんて最強だろっ!
いや、それってストーカーの域に達してない? 通報するよっ!?
鈴木君の発言で思わず叫んでしまった僕だけど、気付けばその姿は既に無く、心配そうに僕の顔を覗きこむ愛ちゃんだけが傍に居たのだった。