(四)-3
文字数 234文字
拓弥は翔太の顔を見た。
翔太はうつむきながら、横目で様子をうかがうように拓弥の方を見ていた。
「あれは、別れようってことじゃなかったのか」
「あれって?」
「ほら、お前『ごめん、もう会えない』って……」
「えっ、もしかして、あの大学に来てくれたときのこと?」
「ああ」
「ええ?! あれ、本気にしちゃったの?」
翔太は大声を出しながら立ち上がった。かわいくも見えるが、意外と大きいのが股間にぶら下がっていた。
「ごめん、あれ、嘘。だってほら、あの日、四月一日だったじゃん」
(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)