(三)-4

文字数 293文字

 佐野のアウトレットモールでは、実奈美の言うとおり、まさしく拓弥と翔太は存分につきあわされる羽目になった。
 片っ端から入るファッションブランド店で毎回「どっちがいい?」と尋ねられ、当初は「似合う」だの「こっちの方がいいかも」などと真面目に商品選びを手伝っていたものの、拓弥も翔太も十軒目を過ぎた辺りから少しづつ回答に手を抜くようになっていき、二十軒目を出たときに、休憩を提案した。

 フードコートでタピオカミルクティーとチョコバナナクレープを頬張りながら翔太は、同じくタピオカ抹茶オレとストロベリークリームパフェクレープを頬張っている実奈美に、「なぜ、買い物なんですか」と尋ねた。

(続く)
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